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セアラ州でも見られるひび割れた貯水池(Fernando Frazão/Agência Brasil)
セアラ州でも見られるひび割れた貯水池(Fernando Frazão/Agência Brasil)

世界水週間=南東伯の水不足は警鐘=首都圏でも18年から?

 3月22日の「世界水の日」前後は世界水週間で、水に関する報告やイベントが続く。20日発表の国際連合教育科学文化機関「ユネスコ」のレポートは、水の需要は世界中で高まっており、2030年までに世界の水源や貯水池の40%は規模が縮小すると警鐘を鳴らしたと20日付G1サイトやアジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 ここ数十年の水の消費は人口増加の倍の勢いで増えており、2050年は更に55%増となる見込みだ。水の需要は人口や農業生産、工業生産の増加、急速な市街化などで急増中で、地下水の20%は許容量以上に使われている。
 また、ブラジルは水力発電所のダムや貯水池建設などで水資源のあり方を大きく変えた国の一つで、土地の侵食や沈泥の増加や生態系の変化などが指摘されている。
 ユネスコは水資源の実態と価値を知り、監視体制を改善する事や、将来に向けた水政策の確立、持続可能かつ農業やエネルギーなどの諸分野と連結した行動をとる、一般市民も取り込んだ治水対策の構築といった提案も行った。これらの策は、南東伯や北東伯の渇水など、ブラジルが直面している問題にも適用出来る。
 サンパウロ州やリオ州、ミナス州での水不足が騒がれだした昨年以降、サンパウロ州では複数の水系を繋ぐ工事などが急ピッチで進められているが、南東伯の水不足は、それ以外の地域でも起こりうる問題への警鐘に他ならない。
 例えば、人口急増中の連邦直轄区では、少なくとも2010年に水不足到来を予測する声が発せられており、今回も、何らかの対策を採らなければ18年には水が不足するとの警告が出ている。