今月、パラナ州クリチーバ政庁であったキックオフイベントは盛況だった。外交120周年、パラナ州兵庫県姉妹州県提携45周年、パラナ州日本人入植100周年―日伯官民四つ巴となって祝う三重の喜びのスタートだけに、梅田大使も「日本が外国と行う交流の中でもっとも強固な関係」と強調し、リッシャ知事も「州内全ての分野で日系の影響がある」と、切っても切れない関係を確認した▼確かに、同州内での姉妹都市は4市と最多。姫路市・クリチーバ市、西宮市・ロンドリーナ市、加古川市・マリンガ市、淡路市・パラナグア市、ちなみにリオ市と神戸市が提携している。クリチーバの姫路会館には唯一の県事務所があり、商議所も同居している。パラナグアの淡路会館も立派なものだった▼4月には西森ルイス下院議員率いる経済ミッションが兵庫県を訪問、8月には井戸敏三知事がブラジルを訪問する。名前だけになりがちな姉妹州県だが、神戸には立派なセンターもあるし、他県に比べるまでもなく、関係は相当に深い。ただ、双方の州県民が認識しているかどうかは、また別問題ではあるのだが▼イベントでは、今年行われる行事カレンダーが配られたが約60と相当に多い。冠だけのものもあるだろうが、いまさらながら、サンパウロに次ぐ日系コロニアを誇るパラナの底力を見る気がする。日系フェスティバルが立て続けにある地域もあり、客が分散しないのだろうか…と少々心配になったりもする▼サンパウロでは、いまいち盛り上がりに欠ける120周年だが、お隣はかなりにぎやかになりそうだ。こうしたお祭りの陰には、移民の苦闘の歴史があり、同州は成功した二世が多いと聞く。一世紀の移民の歩みを、次世代に伝える取り組みにも大いに期待したいところだ。 (剛)