JATAK(全国拓植農業協同組合連合会)の研修生OBによる組織「帰国研修生協議会」が昨年9月に解散し、運営費の余剰金を日系福祉団体などに寄付した。サンパウロ市リベルダーデの社会福祉法人「こどものその」事務所で20日昼、贈呈式が行なわれた。
同OB会から会長の高梨圭さん(39、二世)、会計の立石セルジオさん(44、二世)=共にサン・ジョゼ在住=、サンパウロ市事務所元所長の馬場光男さんが訪れ、「小額ですが、少しでもお役に立てれば」と、援協傘下のやすらぎホーム、憩の園、希望の家、こどものその4施設に、それぞれ6323・88レアルを手渡した。
援協の菊地義治会長が代表して「訪日研修を経て伯農業に立派に貢献してこられた。寄付は高齢者や障害者の支援のために使わせていただきます」と感謝を述べ、OB会の解散を惜しんだ。日系団体のほか、サンパウロ州イビウナ、バレットス、ミナス州の伯施設にも同額が寄付される。
訪日研修は07年実施が最後。これまで328人(パラグアイ、アルゼンチンの24人含む)が参加した。今後のOB活動として高梨会長は、「全国規模での連携は難しいが、アルジャー周辺の花卉農家、ピラールの果樹農家など、近い地域の同業者同士はつながりを維持したい」と話している。