25日、大統領府社会通信局(Secom)のトマス・トラウマン長官(無所属)が、大統領府内の内部機密の漏洩などを理由に辞任した。これを機に、民主運動党(PMDB)などが提唱している、閣僚数削減論が活性化する可能性が出てきた。26日付伯字紙が報じている。
トラウマン氏辞任のきっかけとなったのは、17日付エスタード紙サイトが独占スクープ、18日付同紙にも掲載した大統領府内の機密報告書「政治的混乱についての考察」の漏洩だ。その中には「ジウマ政権では広報や通信を介した国民との対話が減り、支持者たちが疎外感や不平を感じている」など、現政府と労働者党(PT)への批判も記されていた。
トラウマン氏はもとはジャーナリストで、同長官職には14年2月から就任していた。
アロイージオ・メルカダンテ官房長官はトラウマン氏の後任に政治家の就任を希望し、アレッサンドロ・モロン下議(PT)の名前も出したが、PT内からは党内でも少数派であることなどから不評を買った。ジウマ大統領自身は著名なジャーナリストの登用も考えているともいわれるが、当面はSecom副長官が長官職を代行する。18日に教育相を電撃辞任したシジ・ゴメス氏(社会秩序共和党・PROS)の後任に関しても同様の措置がとられている。
PT内からは広報関連の職務は通信省に移行させるべきだとの意見や、2億レアルに上る広報費をコントロールできるようにするためにSecom長官職を自党にとの声も上がっているようだ。
教育相やSecom長官の辞任と、レナン・カリェイロス上院議長やエドゥアルド・クーニャ下院議長(共にPMDB)の公的な場での要請で議論が再燃しそうなのは、PMDBなどが主張する「閣僚削減案」だ。
閣僚数の多さはPT政権の特徴で、カルドーゾ政権最終年の2002年の21人が39人に膨れ上がっている。連邦政府は現在、財政調整で議会とのすりあわせを行っているが、レナン議長は連邦政府も閣僚や省庁数を減らして、身軽になるべきと主張している。
ジウマ大統領はこれまで頑なに現状の閣僚数の維持を主張していたが、26日付エスタード紙によると、最近の支持率の凋落やPMDBとの関係性も重視し、削減の可能性を模索し始めているようだ。統廃合の可能性がある省庁としては、水産省や大統領護衛局、人権局、戦略問題担当局などの名前が挙がっている。