ホーム | ビジネスニュース | GDP=14年の成長率は0.1%=マイナス危機なんとか回避=第4Qと算出法変更が助け=15年はさらに厳しい状況
26日のジョアキン・レヴィ財務相(Valter Campanato/Agência Brasil)
26日のジョアキン・レヴィ財務相(Valter Campanato/Agência Brasil)

GDP=14年の成長率は0.1%=マイナス危機なんとか回避=第4Qと算出法変更が助け=15年はさらに厳しい状況

 地理統計院(IBGE)が27日、2014年の国内総生産(GDP)は、2009年以来となる0・1%の低成長であったことを明らかにした。事前の予想ではマイナス成長との声も出ていたが、GDPの算出法変更にも助けられた形となった。27日付伯字紙サイトが報じている。

 14年のGDP成長率は、ジョアキン・レヴィ財務相もマイナスを予想し、中央銀行の直前の予想でも0・1%減とされていたが、かろうじてプラスで終わった。
 内訳を見ると、工業部門は、鉱業が8・7%増えたものの加工業が3・8%縮小し、マイナス1・2%で終わった。税収は0.3%減だった。
 一方、13年は7・9%成長し、同年のGDPを押し上げる原動力となった農業部門は、水不足の中でもマンジョッカや大豆が8・8%と5・8%増え、コーヒーやトウモロコシ、砂糖キビなどがマイナスとなった中でも、0・4%の成長を記録した。また、サービス部門も0・7%増となり、14年の成長率がマイナスとなるのを食い止めた。ただし、サービス部門もインフレなどの影響で家族消費が落ち、12年の2・4%や13年の2・5%に比べると成長率が小さかった。
 14年第4四半期の成長率は前期比0・3%増で、米国の金融企業ブルームバーグの0・1%減という予想を覆した。14年は、第1四半期が0・6%のプラスだったものの、第2四半期に1・4%減と大きく落ち込んだ。第3四半期は0・2%増に止まり、第4四半期の農業とサービスが1・8%と0・3%伸びたことでかろうじてプラスに転じた。ただ、第4四半期も前年同期比では0・2%減で、大きな伸びではない。
 また、GDPの算出方法が3月に変更されたことも幸いした。これにより、従来は支出に分類されてきた鉱物資源の試掘や評価、ソフトウエア開発などの調査開発費は投資とみなされた。新算出方法は国連をはじめ、世界的に使われているもので、ブラジルの過去のGDPも上方修正されていた。
 GDP成長率0・1%という数字は、世界的経済危機が直撃した09年のマイナス0・2%以来の低水準で、3・9%、1・8%、2・7%と低成長が続くジウマ政権の中でも圧倒的に低い数字に終わっている。
 ジウマ政権の経済観測は15年も見通しが明るくなく、中央銀行の26日の発表では、年間インフレ率は過去12年で最高の7・9%となる一方、GDPは0・5%のマイナスになると予想されている。