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Sabesp53%の減益=水不足の2重ショック=節水ボーナスが財政直撃

 サンパウロ州水道公社(Sabesp)が26日に発表した決算報告書によると、同社の14年の純利益は9億300万レアルで、前年13年の19億レアルより53・1%という大幅な減益となったと27日付伯字各紙が報じている。
 同公社の財政悪化の原因は様々だが、急激な財政悪化は融資を受けるのを難しくし、乾期への対応や、今後数年間の水の供給量を増やすために必要な投資にも悪影響を及ぼすため、大きな懸念材料になっている。
 減益の主要因は水の利用を抑えた消費者に最大30%の節水ボーナスを導入したことで、これにより総収入が6・7%減少した一方、支出は13・6%、投資額は18・5%増えた。
 節水ボーナスは貯水池の水位低下のペースを抑える目的だったが、大サンパウロ市圏最大の水源であるカンタレイラ水系は、最近2カ月の雨にも関わらず史上最大の水不足から回復できず、26日現在の貯水率は、未開の水域も含む最大貯水量の14・3%、未開の水域を計算に入れる前の水位ならマイナス10・8%だ。
 「雨不足が続き、貯水率が低いままなら、14年から15年始めに採用したボーナスなどの方策継続は保証できない。今供給している地域全域への供給継続も困難になる」と同公社は認めた。
 ドル高レアル安も、債務の40%が外貨建ての同公社の財政悪化に拍車をかけており、債権者との契約条項を果たせずにいる。
 同公社が水圧を下げたことで水の供給量が毎秒7万3千リットルから5万1千リットルに減少したことも減収の一因だ。減圧は広い地域で1日何時間にもわたる断水を生じさせた。
 14年の降水量が期待値を大幅に下回ったために未開の水域に手をつけたことは経費の増大を招き、リオ・グランデとアルト・チエテの両水系を繋ぐ緊急工事などが投資の増額にも繋がった。二つの水系を繋ぐ工事は、大サンパウロ市圏での計画断水を避けるために不可欠だ。
 14年の同公社の時価総額は116レアルで、181億レアルだった前年より35・7%下落した。同公社は統一選後の昨年12月にも料金改定を申請しているが、3月始めにもう一度、サンパウロ州上下水道・エネルギー規制機関(Arsesp)に、水不足危機に伴う財政危機を緩和するための臨時の料金改定を申請しており、4月から新料金適用となる見込みだ。