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渦中のレヴィ財務相(Marcelo Camargo/Agência Brasil)
渦中のレヴィ財務相(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

レヴィ財務相の発言が波紋=経済政策の効率性に疑問=ジウマは早速遺憾を表明=財政調整案審議の障害にも

 ジョアキン・レヴィ財務相が24日に行ったジウマ大統領に関する発言が大きな波紋を呼びんでいる。これに伴い、目下のところ連邦政府の懸案となっている議会での財政調整案の通過がさらに難しくなる可能性が生じている。29~30日付伯字紙が報じている。

 レヴィ財務相の発言は24日、サンパウロ市で行われた非公開での講演会の席でのもので、そこには同財務相が博士号を取得した米国シカゴ大学商学部時代の同僚や教授ら数10人が集まっていた。
 レヴィ氏は、第1期ジウマ政権の経済政策に誤りがあったことなどに触れた際、英語で「大統領は常に経済の現状改善を願っている。その方法が最も簡単な方法とは言えず、最も効果的な方法だとも言えないこともあったが、大統領が経済の改善を願っていることは確かだ」と語った。
 同講演はフォーリャ紙が録音しており、29日にスクープとして報道した。これに関しレヴィ氏は、「文脈を無視して、悪い意味に曲解された」と反論している。財相は講演で、大統領が自政権の失政を認め、回復のための方策を採ろうとしているとも語っている。
 だが、この発言は大きな波紋を呼んだ。アロイージオ・メルカダンテ官房長官はフォーリャ紙のスクープが出た日にレヴィ氏に電話を入れ、大統領が遺憾の意を表したことを告げた。
 大統領が懸念しているのは、この発言が出たことで議会との攻防が行われている財政調整案で政府が敗戦してしまうことだ。政府内では、大統領への批判が財務相から出ているような状況では、連邦政府の案を通すのは難しいと見ている。
 連邦政府は、企業の給与支払い時に納める社会保障関係の納付金の割合の変更や、失業保険や遺族年金などの受給資格の厳格化などを求めているが、与党議員も含む議会の反対にあっている。
 また逆に、ジウマ大統領は議会側から、州や市が抱える負債の返済時の金利を下げることなどを盛り込む法案の施行細則を30日以内に定めるよう求められた。同案件は下院で承認され、上院はレヴィ財相が交渉のために上院に出向く31日に審議にかける意向だ。
 レナン・カリェイロス上院議長は、政府が早急に同案件に応じなければ、レヴィ財相が年末に当面は審議にかけないよう要請していた二つの案件を審議にかけると脅している。一つは商品流通サービス税(ICMS)の割合の均一化で、もう一つは、地方財政の損失補填のためのファンドと地域活性化のためのファンドを連邦政府が作るというもの。後者が承認されると、政府は20年間で2340億レアルの支出を余儀なくされる。