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入札も無く警備機器発注=2州のW杯特別局に収賄の疑い

 リオ州とミナス州政府がW杯前の2012年と13年、正当な入札を行わず、ドイツのビルフィンガー社のブラジル子会社であるマウエル社と、各州のW杯警備統括センター(CICC)の機材購買に関する契約を行っていたことが明らかになり、収賄の疑いが生じている。
 マウエル社がW杯における機材受注時の贈賄の疑いで捜査対象になっていることは、22日付ドイツ紙ビルドも報じている。
 W杯開催都市が大会中の警備用に使う監視モニター〃ヴィデオウォール〃の受注は同社に、リオ州相手の取引で340万レアル、ミナス州で57万2千レアルの売り上げをもたらした。
 リオ州、ミナス州がマウエル社と交わした合意は、「警備用モニターは法務省が購入する」と明記された責任分担に関する文書を無視した形で機器調達を行う内容となっている。W杯で各機関が負うべき責任をまとめた文書では、CICCを設置するための建物は各開催都市が用意することになっているが、モニターは法務省が調達することになっている。
 法務省は13年に、公開入札によって各開催都市向けのビデオウォールを調達した。この入札はマウエル社が勝ち取り、12台分を2430万レアルで落札した。
 一方、リオ州は12年に該当機器をマウエル社から購入した。この購買契約は、マウエル社の技術が他社には無い唯一のものだったために入札抜きで行われたと同州保安局は述べているが、翌年に法務省が行った入札では、他にも9社のビデオウォールの技術を持つ会社があり、マウエル社と競合していた。
 ミナス州W杯特別局もリオ州同様、入札無しにマウエル社とCICC用の設備購入契約を交わしたが、それは、法務省がマウエル社と全てのW杯開催都市向けのビデオウォールの購入契約をした5日後の13年5月13日のことだった。
 当時のミナス州W杯局長のチアゴ・ラセルダ氏は、ミナス州が独自に購買した機器は同年6月のコンフェデ杯で使うためのものだったとしている。「我々の購買はコンフェデ杯で最低限の用を足すためのものだった。後になって政府が残りを調達してくれた過ぎない」と同氏は語る。
 他方、13年の連邦会計検査院(TCU)の報告書は、W杯の警備センター用のヴィデオウォールの購買における入札の必要性を示している。
 公開入札を専門とする弁護士のロベルト・シュルツ氏は、リオ州とミナス州のビデオウォール購入時に公開入札が無かったことに疑問を呈している。「法務省の行った入札に何社もの参加があったのに、リオとミナスが独自に購買を決めた際は入札も無くマ社に決めたというのは不可解だ。他の会社は1年前にはヴィデオウォールの技術を持っていなかったというならば筋が通るが、その可能性は低い」と結んだ。(3月27日付フォーリャ紙より)