3月31日、ジョアキン・レヴィ財務相は上院経済委員会(CAE)で長時間にわたる説得を行い、上院でこの日に予定されていた、「連邦政府に30日以内に地方行政の負債返済に関する新基準適用に関する施行細則を定めさせる」法案の投票を延期させることに成功した。1日付伯字紙が報じている。
レヴィ財務相は7時間半をかけ、財政調整に関する政府側の見解やその大切さを訴えた。
投票が予定されていたのは、州や市が連邦政府に債務を返済する際の利子を、総合物価指数(IGP‐M)+6~9%から、拡大消費者物価指数(IPCA)か経済基本金利の小さい方+4%に下げることを定めた法案の施行細則を「30日以内に定める」よう要求する法案で、3月24日に下院を通過している。州や市の債務返済時の利子引き下げに関する法令は昨年11月に大統領が裁可したが、財政上の問題で連邦政府が施行を先延ばししている。同法が適用されると、連邦政府は年30億レアル分の損失を被ることになる。
財務相はCAEに、新法適用は16年2月1日からとし、それまでは現行利子で返済するよう求めた。財務相は、州毎に違う商品流通サービス税(ICMS)の課税率統一後に同法を適用すべきだし、今年の基礎的収支黒字目標(国内総生産の1・2%、660億レアル)達成の成否がわかるまで現行通り行きたいと主張した。その代わり、現行基準で払った利子との差額は16年に州や市に返還する。
財務相の提案はリオのエドゥアルド・パエス市長(民主運動党・PMDB)が提唱したもので、新法適用で最も恩恵を受けるリオ市やサンパウロ市の市長は了解済みだ。裁判に訴え、負債返済に新法適用を認める判決を得ていたパエス市長は、裁判は不要な緊張を招いたが「レヴィ氏が私の提案を受け入れてくれて嬉しい」とし、この提案が全国の自治体に適用されるよう働きかけていくとした。
財務相の主張は元上院政府リーダーのロメロ・ジュカ上議(PMDB)とCAE委員長のデウシジオ・アマラル上議(労働者党・PT)の仲介で、レナン・カリェイロス上院議長(PMDB)に伝えられ、同日予定されていた施行細則に関する決議は延期された。上院は来週、ICMS統一などを審議する。
連邦政府は基礎収支の黒字目標遵守を必須目標としているが、未払い支出の清算などで2月の収支は73億レアルの赤字(州や市込みでは23億レアルの赤字)で3月も同様の傾向が続くこと、財政調整法の承認の遅れなどで、今年度予算の切り詰め額は800億レアルに及ぶのではないかと予測されている。