ラヴァ・ジャット作戦でカルテルを組んでペトロブラスの事業を請け負い、贈賄疑惑で社会的制裁を受けた企業5社が、現時点だけで計150億レアルの負債をめぐる会社更生法の適用申請を行っていることがわかった。こうした傾向はさらに広がる可能性があり、景気後退中のブラジル経済にさらなる打撃をもたらす可能性が強い。6日付伯字紙などが報じている。
6日付エスタード紙によると、ペトロブラスの贈収賄疑惑に関わったとされ、会社更生法の適用を求めている企業は、現時点で5社に上る。
負債額が最大なのは建設大手のOAS社で、その額は80億レアル。以下、部品供給大手のイエザが35億レアル、建設大手のガルヴォン・エンジェニャリアとアルミニ・エンジェニャリアが16億レアルと10億レアル、部品供給会社のジャラグアー・エキパメントスが7億レアルで続いている。
シャイン・オレオ・エ・ガス社も45億米ドル相当、レアルにして約140億レアルの負債をめぐって会社更生の準備に入る予定で、これらの企業による負債額は実質的に倍化している。会社更生法の適用申請は今後も続くと見られている。
また、3日付エスタード紙によると、ジェツリオ・ヴァルガス財団は、ラヴァ・ジャット作戦により、2015年の国内総生産(GDP)は870億レアル縮小すると見込んでいる。同財団によると、同作戦の影響でペトロブラスの投資額は275億レアル削減される他、疑惑対象企業の従業員解雇により給与支払総額は136億レアル減る見込みで、農産物を含むサービスや消費財の消費額にも影響すると見られている。また、国や州、市の税収も57億レアル減ると見られている。
ラヴァ・ジャットの影響が最も大きいと見られるのは同作戦で贈収賄や資金洗浄疑惑が浮上した大手建設会社で、同財団は同業界がGDP上で与える損失は100億レアルと見ている。同業界の雇用は19万2千人分が失われ、その結果、17億レアルの給与が払われず、税収も6億5200万レアル減る見込みだ。
3日付本紙で報じた、ラヴァ・ジャットの疑惑企業のひとつであるケイロス・ガルヴォンがリオ五輪の会場建設の従業員解雇を言い始め、作業遅延の可能性が出てきた件は、解雇撤廃となったようだ。しかし6日付エスタード紙によれば、建設業界では1、2月に3万5500人を解雇しており、国内のインフラ工事その他が次々と滞ることも予想される。