水不足、水不足と騒がれているなか、これまで幸いに断水で困ることは無かった。でも、とうとう試練がやってきた。
4度目の引越し、5カ所目の住処は、台所、シャワーにトイレが共同。ルームメイトに挨拶すると、巨大なプラスチックのボトルを渡され、「これに水を汲んでおいたほうがいい。夜は出ない」と言われた。
断水は想像以上に辛かった。汚れた手を洗う場合、ボトルの口の部分に両手を持っていき、それを傾け、倒さないように気をつけて洗わねばならず難儀した。
ボトルでシャワーはどうやって浴びるのだろう。石鹸をこすりつけ、水をコップで身体にかけるのだろうか。結局、昨夜は浴びられず、朝ようやく戻ったチョロチョロの水で浴びてきた。
なんとか工夫して身体を洗わなければ―などと考える必要もなかった日本のありがたさが改めて身に沁みる。(規)