サンパウロ州サントス市で2日に発生したウルトラカルゴ社の燃料タンク火災は8日昼過ぎ、航空機火災などに使う特殊な消火剤投入で一旦鎮火したが、周辺温度はまだ高く、再び火の手が上がるなど不安定な状況で、サントス港右岸へのアクセス禁止も当面は続く見込みだ。
コールド・ファイアと呼ばれる消火剤が炎上中のタンクの温度を下げたため、タンクから上る煙は急速に減り、1時半頃には「遂に鎮火」と報じられた。だが、10分後にはタンクから地上に漏れたガソリンに引火して黒煙が再び増し、2時過ぎにはタンクにも炎が見えたと報じられるなど、予断を許さぬ状況だ。
他方、6日に同州保安局が発表したサントス港右岸へのトラック乗り入れ規制は、少なくとも10日まで続く見込みだ。同規制は火災現場一帯への車両の進入を禁じ、消火活動を保証するためにとられたもので、アンシエッタ/イミグランテスの両道では、食料品や医薬品など、日持ちしない品を載せた車両以外は同港右岸へのアクセスが禁じられている。同種のトラックは海岸山脈を越える車両の5~7%で、大豆などを積んだ大型車両は、駐車場で待機するか荷を積んだまま帰るかの選択を迫られている。
水中の酸素が減少した事か水温が上がったためと見られる魚の大量死も続いており、クバトン市内の川から回収された魚は8日朝には7トンに達した。
また、積荷を降ろすまたは積むためにサントス港の外側で待機している船も11隻に増えた。サントス市内や周辺の町では物資の供給や配達の停滞といった問題も起きている。(8日付エスタード紙、G1サイト、アジェンシア・ブラジルなどより)