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ユネスコ=6つの内2つ達成=「万人のための教育」運動で=前進したが課題を残す

 国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の発表によると、ブラジルは「万人のための教育(EFA、ポ語での略語はEPT)」運動が掲げた六つの目標の内二つしか達成できなかったと9日付エスタード紙や8日付G1サイトが報じた。
 セネガルのダカールで2000年に開られた会議では、全ての人が初等教育を受けられるようにし、識字環境を整備するため、(1)15年までに就学前保育や教育の拡大と改善を図る、(2)女子や困難な環境下の子供、少数民族の子供も含む全ての子供に無償で質の高い義務教育を提供する、(3)全ての青年と成人の学習ニーズを満たすような適切な学習プログラムや生活技能プログラムへのアクセスを保証する、(4)15年までに成人の識字率を50%改善する、(5)05年までに初等・中等教育での男女格差を解消し、15年までに教育での男女平等を達成する、(6)教育の全ての面における質の改善と卓越性確保の六つの目標を立てた。
 ユネスコによると、全ての目標を達成できたのは164カ国中57カ国で、ブラジルが達成できたのは2番目と5番目の目標のみだという。
 国立教育研究院(Inep)はこの報告内容を不服とし、「我々は改善を約束し、教育を公共政策の頭ともしてきた。02年の公立保育園は3千軒で、現在は3万5千軒だから、1番も達成できたはずだ」というが、ユネスコのブラジル担当者はブラジルの努力を認めた上、「12年の段階で就学前教育を受けていた0~5歳の子供は80%に達しておらず、更なる努力が必要だ」としている。
 3番目では、Pronatecなどの専門教育機関の生徒が400万人に倍増した事が評価されたが、中等教育(高校)への就学率は更なる改善が求められている。
 4番目の識字率はそれなりの改善を見たが、60歳以上の人の識字率の改善が困難だった。
 生活扶助などの貧困対策も評価されているが、極貧層の就学率はまだ低い。市街地と農村部の就学率や州毎の投資額にも格差が残っている。
 ユネスコが発表した目標毎の達成率は1番が47%。その他の国も8割がほぼ達成している。以下、2番42%、3番46%、4番25%、5番は初等教育が69%、中等教育が48%だった。6番は様々な項目が挙げられるが、世界での教師数は400万人不足しているという。