連邦警察は10日、ラヴァ・ジャット作戦第11弾として、アンドレ・ヴァルガス容疑者(元労働者党・PT、現在は無所属)、ルイス・アルゴーロ容疑者(連帯・SD)、ペドロ・コレア容疑者(進歩党・PP)の3人の元下院議員を含む7人を逮捕した。同作戦はこれで、連邦貯蓄銀行や保健省との契約に関する不正にもメスを入れ始めることになる。10日付伯字紙サイトが報じている。
ラヴァ・ジャット作戦第10弾までは、ペトロブラスとのあいだで贈収賄工作を行っていた同公社役員と関連企業役員らが逮捕されていたが、今回は、同作戦のきっかけとなった保健省絡みの不正などに関連した政治家が逮捕された。
今回、逮捕された政治家のうち、ヴァルガス氏とコレア氏は既に議員罷免処分を受けており、アルゴーロ氏も14年の下院選で落選したため、連邦最高裁管轄ではなく、パラナ州連邦地裁で裁判を行うことになる。コレア氏はメンサロンで有罪判決を受けて罷免され、現在はセミ・アベルトで服役中だ。
この中で注目すべきはヴァルガス容疑者の逮捕だ。同容疑者は、昨年3月にラヴァ・ジャット作戦が始まったとき、関与が疑われた最初の政治家の1人だ。同容疑者は、同作戦の仕掛け人の闇ブローカー、アルベルト・ユセフ容疑者と同じパラナ州選出の下院議員で、同容疑者が借りた航空機を利用したことが指摘された。また、ユセフ容疑者と親しい間柄にあったことは昨年4月、電話の通話記録からも証明された。これが元で同容疑者は同年12月に議員を罷免となった。
今回の同容疑者の逮捕は、その際に話題となったユセフ容疑者の架空会社ラボジェンに対して保健省が便宜を図るよう、取り持ったことが理由のひとつとなっている。アルゴーロ容疑者もこの件への関与での逮捕だ。
ヴァルガス容疑者とその兄弟には、広告企業のボルジ/ロウ社やIT7社が連邦貯蓄銀行や保健省などと結んだ契約をふたりが経営者として名を連ねる架空会社2社に下請けさせ、賄賂を受け取っていた容疑もかけられている。
一方、コレア氏は、ペトロブラス元供給部長のパウロ・ロベルト・コスタ容疑者から530万レアルの収賄を受けたことが連邦警察への供述で指摘されていた。
今回の捜査は元下議3人を絡む7人の逮捕とコレア氏の嫁のマルシア・ダンジ・コレア・デ・オリヴェイラ氏ら9人への出頭命令、16件の家宅捜索が含まれており、その範囲は連邦直轄区と6州に及んだ。
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