14日、リオ選出の下院議員で数多くの問題発言で話題のジャイール・ボルソナロ氏が、所属の進歩党(PP)党首に口頭で離党を申し入れたことを明かした。
ボルソナロ氏は離党の理由として、「私には2018年に夢がある。それは大統領、もしくは上院議員に立候補することだが、この党ではその余地がない」と語った。
PPは現在、連立与党内で3番目の規模の党だが、同党は、連日報道されている汚職スキャンダル、ラヴァ・ジャット作戦で、連邦警察から30人を超える政治家の捜査依頼を出されており、最大の汚職政党のイメージが強くなっている。
ボルソナロ氏は、14年の下院選挙で国内最多得票を獲得するなど、知名度は高い。だが、それは自身の問題発言を伴ってのものでもある。
奇しくもこの前日の13日、ボルソナロ氏は、2011年3月にバンデイランテス局のテレビ番組「CQC」で行った同性愛者に対する失言を理由に、15万レアルの罰金刑を宣告されたばかりだ。同氏は同番組内で「私の息子は父親になったので、これで私が同性愛者の父親になる危険性はなくなった」と語っていた。奇しくも同番組の司会者マルセロ・タスの娘は同性愛者でもある。
また、軍に従軍した経験もあるボルソナロ氏は、1964~85年の軍事政権を正当化する発言もしばしば行っており、これも国民の8~9割が民主主義を支持するブラジルでは問題となっている。
同氏はさらに、女性議員と口論になった際、「あなたはレイプする価値さえない女だ」と発言し問題となったこともある。
ボルソナロ氏は、自身の夢を実現すべく、他政党への移籍交渉をはじめているが、その中のひとつはブラジル労働者革新党(PRTB)だという。PRTBの党首のレヴィ・フィデリックス氏は昨年の大統領選に出馬し、テレビの公開討論会で「子孫を残さない同性愛者が一般の人たちと同じ選挙権を持つのは許せない」「同性愛者は精神的な治療をほどこす必要がある」などと発言し、大問題になっている。(14日付G1サイトなどより)
タグ:汚職 軍事政権 写真ニュース ラヴァ・ジャット ボルソナロ