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逮捕されたヴァカリ氏(Wilson Dias/Agência Brasil)
逮捕されたヴァカリ氏(Wilson Dias/Agência Brasil)

ラヴァ・ジャット=ヴァカリ氏遂に逮捕される=疑惑のPTの会計担当=重要被告証言に幾度も登場=PT名義の収賄2億レとも

 連邦警察は15日、「ラヴァ・ジャット作戦」第12弾として、既に別件で起訴されている労働者党(PT)中央会計のジョアン・ヴァカリ・ネット被告を贈収賄工作や資金洗浄の疑いなどで逮捕した。同氏はかねてから同作戦の政党側の主犯者と見られており、不正な金がどのような形で流れたかなどのカギを握っている。15日付伯字紙が報じている。

 ヴァカリ被告は15日朝、サンパウロ市の自宅で逮捕され、そのままパラナ州クリチバにある連邦警察に連行された。これは同被告の裁判の管轄がパラナ連邦地裁になるためだ。
 連邦警察は同被告の自宅で夫人のジゼウダ・ロウジー・デ・リマ氏からの事情聴取も行ったが、夫人の供述からは得るところがほとんどなかったという。
 同夫人の妹でかねてからラヴァ・ジャットへの関与が指摘されていたマリッセ・コレア・デ・リマ氏にも逮捕令状が出たが、午後2時現在、まだ逮捕されていない。
 ヴァカリ氏は、ペトロブラス内での贈収賄にPT側の仕掛け人として頻繁に関わり、同公社の元サービス部部長レナト・ドゥケ被告らからの収賄や、それらの金の資金洗浄などが疑われている。
 ヴァカリ被告は9日の下院で行われたペトロブラスの議会調査委員会(CPI)に召喚された際、ラヴァ・ジャットへの関与を否定していた。
 だが、ヴァカリ氏の名前はこれまで告発、起訴された被告が行った連邦警察への報奨付証言の中で何度もあがっており、PT絡みの金の受け渡しや振込先の指定などをしていたとされている。
 ペトロブラス元サービス部のペドロ・バルスコ被告は、ヴァカリ氏が約2億レアルの賄賂をPT名義で受け取ったと証言。また、同作戦最大の仕掛け人、アルベルト・ユセフ被告もPTサンパウロ市支部にヴァカリ氏宛に40万レアル相当の横流しを行ったと語っている。
 また、ユセフ被告によると、マリッセ容疑者も11万レアルを同被告から受け取ったという。
 他方、同作戦の裁判を担当するセルジオ・モロ判事が15日に出した、ヴァカリ被告逮捕に関する文書によると、SOG/セタウ社のアウグスト・リベイロ被告が報奨付供述の中で、ヴァカリ被告は同社からPTへの賄賂の一部を正規の「政治献金」として納めさせた他、サンパウロ市内の印刷会社「エジトラ・グラフィカ・アチチューデ」に支払うようにも指示していたと述べていたことを明らかにしたという。
 連邦警察によると同氏には七つの罪状で取調べが控えているという。