15日にラヴァ・ジャット作戦で逮捕された労働者党(PT)の中央会計、ジョアン・ヴァカリ・ネット被告をめぐり、PTは同日に緊急会議を行い、同被告逮捕に踏み切ったパラナ州連邦地裁の判断に抗議した。本人の希望もあり、ヴァカリ氏は同日付でPT会計職を解任されたが、この逮捕を受け、野党側がジウマ大統領の罷免請求に向け、より具体的に動きはじめた。16日付伯字紙が報じている。
ヴァカリ氏の逮捕後、ルイ・ファルコン党首やルーラ前大統領といったPT上層部はサンパウロ市のルーラ研究所に集まり、ヴァカリ氏逮捕に関する緊急会議を行った。
その後発表された声明でPTは、ヴァカリ氏を中央会計から解任するが、それはあくまで本人が申し出たからであり、党としては同氏の無実を信じているとした。また、パラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事がSOG/セタウ社のアウグスト・リベイロ被告の供述に基づいた同氏への起訴を受け入れた上、捜査妨害や犯罪の継続が疑われるとして逮捕を命じたことを「不当かつ不要なもの」と批判した。
ヴァカリ氏の去就に関しては、ジウマ大統領を含むPT内部からも「ラヴァ・ジャットの捜査線上で噂になった時点でなぜ解任しなかったのだ」という批判の声があがっている。ヴァカリ氏がペトロブラスを巡る汚職で関与した金銭の額は21億レアルにのぼると言われている。これは、同氏の前任者でメンサロン事件で有罪判決を受けたデルービオ・ソアレス氏の1億3600万レアルの15倍以上の額だ。
だが、PT党内で同じ会派の「新しいブラジル構築(CNB)」に属すルイ氏は最後までヴァカリ氏解任に反対し、ルーラ氏もここ数日で同氏に関する状況が悪化するまでは会計職にとどまるよう望んでいたという。
一方、民主社会党(PSDB)をはじめとした野党6党の議員たちは15日、ブラジリアでジウマ大統領罷免の審議の実現化に向けた会議を行った。出席した議員たちの間では、ヴァカリ氏の問題と、ペトロブラスからの賄賂が2010年のジウマ氏の大統領選の資金に使われたこと、オランダの企業SBMが昨年の8月から10月にかけて、ペトロブラスとの間での贈収賄工作に関する告発を行ったのに、国庫庁が大統領選挙の結果が出るまで捜査を差し止めていたこと、昨年の大統領選でのジウマ陣営の郵便局の不正利用、昨年度の連邦政府の不正会計の5件を罷免の理由として考慮中だ。
昨年、ジウマ氏と最後まで大統領の座を争ったアエシオ・ネーヴェス上議(PSDB)は、「ヴァカリ氏の逮捕はPTにとっての再犯防止逮捕でもある」と語り、改めてPTを批判した。
タグ:ラヴァ・ジャット セルジオ・モロ ペトロブラス PT PSDB PSD 汚職 メンサロン ルーラ 写真ニュース ジウマ大統領