15日に連邦議会に送られた16年度の連邦予算基本法(LDO)によると、来年度の最低賃金は、今年の月額788レアルから8・37%上昇し、月額854レアルになる見込みだと16日付伯字紙が報じている。
最低賃金は前年のインフレ率と2年前のGDP(国内総生産)成長率を合わせた率で調整される。14年のGDPはプラス0・1%の成長だったが、来年度のLDOでは今年のインフレ率を8・2%と想定し、最低賃金を8・37%調整する事とした。インフレ率の政府目標上限は年6・5%だから、今年はインフレの目標上限を守ることが出来ない事を連邦政府が事実上認めた格好となった。
また、来年度のLDOでは初めて、行政、司法、立法府の職員の給与調整の上限を設けている。これは、人件費がGDPの上昇率以上に増大しないための措置だが、これによって、比較的自由に賃金再調整案を議会に提出してきた司法府や立法府との間に対立が起きる事が予想される。
ネルソン・バルボーザ企画・予算管理相は同件について、レナン・カリェイロス上院議長とリカルド・レヴァンドフスキ連邦最高裁判事とも対話した事を認めたが、彼らの反応については明言を避けた。
人件費の調整に上限を設けたのは、支出を抑え、基礎的収支の黒字目標を達成するための方策の一つで、同企画相は「歳出切り詰めは継続される。歳出額は経済の回復に合わせてのみ上昇する。それが基本線だ」とした。
LDOでは16年の経済成長率を1・3%に想定。基礎的収支の黒字目標は、1267億レアル(今年の目標である660億レアルの約2倍)で、ジョアキン・レヴィ財務相が昨年発表したGDPの2%という線が維持されている。中央会計の黒字目標はDPの1・65%の1045億5千万レアルで、中央会計の歳入は1兆4890億レアル、歳出は1兆3850億レアルと想定されている。
同企画相は、来年度は経済活性化計画(PAC)に関する投資を支出から外すといった帳簿上の操作は行わなず、国が抱える負債を明確にするという方針を改めて明言した。
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