サンパウロ州地裁が16日、サンパウロ州水道公社(Sabesp)に、カンタレイラ水系の貯水率を〃未開の水域〃解放前の基準で表記するよう命じたと16日付G1サイトが報じた。
同水系はサンパウロ州最大の水瓶だったが、14年の水危機でその座をグアラピランガ水系に譲った。だが、同水系は依然として大サンパウロ市圏560万人への水の供給源であり、その貯水率の回復次第で、今年中に計画断水採用の可能性もありうる。
〃未開の水域〃開放後の貯水率は、新たに認められた取水量(それ以前の総貯水量を100として18・5%と10・7%、計2879億リットル)も加え、分母を129・2%とした状態で計算されていた。この方法だと、従来の基準では0%を割っても、常にプラス表記となる。
だが、それでは実態にそぐわず、依然として水危機の中にある事が伝わらないと考えた州検察局は、〃未開の水域〃開放前の総容量の9820億リットルを貯水量表記の基準とし、〃未開の水域〃の水を必要としている間はマイナス表記をするよう要請していた。
これによると、17日朝の同水系の貯水率は、19・9%(〃未開の水域〃分も含めた容量を100として計算すると15・4%)ではなく、マイナス9・3%となる。大サンパウロ市圏では16日も大雨が降った所があり、オザスコなどで洪水も起きたが、カンタレイラ水系はほとんど雨が降らず、貯水率は6日間不動だ。同水系の4月の降水量は15・7ミリで、平年の平均降水量(89・1ミリ)の17・6%だが、3月までの雨で周囲の土が大量の水を含んでいる事と他水系からの援水とで、かろうじて貯水率を保っているのが実情だ。