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オーリャ!

 この国は空っぽ―? 昨年6月、ブラジルW杯での個人的な感想だ。群集でごった返すサンパウロ市ヴィラ・マダレーナで開幕戦を観たのだが、実は彼らがサッカーにあまり詳しくないと知って驚いた。
 「主将は誰?」という質問をあえてブラジル人に問うと、知らない者や的外れな答えが想像以上に返ってきた。「これだけ熱狂的なのに、実は知識量は多くない」と強烈に印象に残っている。
 そしてこの頃、2度の反政府デモが起きた。現場に居合わせた日系人に言わせれば、「大通りの脇に入ればフェスタ同然だった」らしく、また今回もW杯と同じか―と心配になった。
 大規模デモを重ねても中身が伴わないと効果は薄い。となれば期待するのは強烈な劇薬か。セレソンはW杯準決勝の歴史的大敗(ドイツ戦、1―7)で目覚めた。一般国民はペトロロンを1対何点の劇薬と受けてとめているのだろう? (祐)