昨年来、販売縮小で在庫が増え、生産調整や雇用問題も噴出している自動車業界で、3交代で24時間操業している企業や第1四半期も売り上げを伸ばしている企業があると20日付エスタード紙が報じた。
トラックやバス製造部門を中心とする窮状は、メルセデスベンツが17日に大サンパウロ市圏サンベルナルド・ド・カンポ工場の従業員500人を解雇すると発表したという18日付エ紙の記事などからも窺われる。
同工場トラック製造部門では、昨年5月に一時的な雇用停止を意味するレイオフに入った750人中500人の解雇を決め、27日まで自首退職者を募る。同社はそれでも1200人が余分として、5月に集団休暇を採用する。同社では現在、1万500人が週4日働くという変則操業を行っているが、ABC地区金属労組は同日、22日に総会を開き、ストを始めると会社に通達した。
自動車業界は今年既に3600人を解雇しており、その大半は自首退職者だ。昨年の解雇者は1万2500人で、自動車部品業界も昨年、2万5千人を解雇した。
全国自動車工業会は、今年のトラックとバスの生産は22・5%、乗用車と軽商用車は9・3%縮小すると見ている。トラックの生産は第1四半期に49・3%減っており、Volvoなども対応に苦慮している。
これに逆行するのは韓国の現代(ヒュンダイ)だ。同社ピラシカバ工場では昨年と同じ18万台生産を目指し、3交代24時間操業を維持している。14年第1四半期の同社のシェアは6・6%だったが、今年は現地生産のHB20の3万7200台を中心に4万8400台を売り上げ、シェアを7・5%に伸ばした。同工場従業員は2700人で、工場周辺にある部品供給会社9社の従業員は2300人いる。
第1四半期のHB20の売り上げは昨年同期比2・4%減、乗用車と軽商用車の売り上げも5%減だが、業界全体の乗用車と軽商用車の売り上げは16・2%落ちているため、同社では妥当な線と見ている。
他方、そのような状況下で売り下げを伸ばしたのがホンダ、トヨタ、日産の日系3社で、12・5%、12・4%、3・4%の伸びを記録した。
17日付エ紙によれば、昨年4月16日にリオ州レゼンデに新工場を開設した日産のフランソワ・ドッサ社長は同工場1周年を記念し、ブラジルの車の販売数が年300万台から100万台に落ちたりしない限り、解雇はないと明言している。
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