身近な友人から、「デング熱に罹り、16日から床に臥している」とのメッセージを受け取った。同じ敷地内に両親がいるとはいえ、小さい子供が2人いるから家族に感染が広がったらと懸念していたら、19日に血小板減少で入院となった▼主人と見舞いに行って入院した事を知らされたが、5月に3歳になる下の娘さんが「お母さん、まだ帰ってこないの」と言う様子や、「出血性のものになったら危ないから」と案じるお父さんの言葉に胸が痛んだ。新聞などで繰り返し目にし、弊紙でも報じてきたデング熱が他人事ではなくなった瞬間だ▼主人が3月下旬に体調を崩してタツアペの病院に行った時にも、血液検査でデング熱との診断が出た患者や罹患を疑って来院した人が大勢いた。入院中に必要な物を取りに戻ったご主人によれば、入院先の病院の救急外来は16日も19日も患者で一杯だったという▼サンパウロ市のデング熱は峠を越えておらず、特効薬もないから、ボウフラの湧きそうな所を虱潰しになくし、防虫スプレーや蚊取り線香などで自衛する以外に方法がない。流行状態と言われる町ではデング熱患者のいない家がなく、店主と従業員が感染して、店が開けられないといった話もあった。それに比べれば、サンパウロ市の状況はまだ穏やかだが、友人の職場では他にも患者が出ていたというし、潜伏期間がある事を考えれば安心は出来ない▼友人の両親は「隣の家も貯水槽に問題があるみたいだから見てもらうつもりだ」と言っていたが、節水問題同様、皆が心がけなければ効果は半減する。1日も早い友人の回復と子供達の無事、デング熱収束などを心から願わされた週末だった。(み)