サンパウロ州のデング熱による死者は今月始めまでに122人に増え、昨年の総計(90人)を早くも上回ったが、サンパウロ市(サンパウロ市)での死者の一人は、ミナス・ジェライス州から病気治療のために来ていた11歳の少年だった。
3月9日に亡くなったエディマール・マウリシオ・シウヴァ君はミナス州モンテス・クラロスに住んでいたが、重度の貧血に悩み、4年前、骨髄移植に希望を託して来聖した。エディマール君は牧畜をやめた両親と兄の4人でサンパウロ市南部のジャルジン・アンジェラに住んでいたが、肺を病んでいた父親のロウリヴァル・ペレイラ・シウヴァさんはエディマール君同様、サンパウロ市で治療を受けていたが、1年9カ月前にてんかんの発作を起こして他界している。
エディマール君が高熱と体中の痛みを訴えてクリニカス病院で受診したのは2月25日。デング熱と診断されて入院し、治療を受けたが、免疫能力が低下していた事もあり、3月9日に亡くなった。皮肉な事に、本当にデング熱に罹患していた事を示す検査結果は、本人が既に亡くなり、法医学研究所の職員に死因を聞かれたその日になって出、サンパウロ市で2人目のデング熱による死者である事が確認されたと言う。
母親のエニディ・アパレシーダ・シウヴァさんは声がかかれば家政婦として働き、家計を支えていた。エディマール君や父親が受診していたクリニカス病院からも基礎食料品キットが支給されていたという。
エディマール君は来聖後、豚インフルエンザにも罹患したが回復。外出するのは病院に行く時だけと言ってよい状態だっただけに、どこでデング熱に罹ったのかはわかっていない。
傷心のエニディさんは市役所が基礎食料品キットを出してくれたか確かめに行く気力さえなくしており、13歳の息子と共にミナス州に帰る手立てを探し始めている。(22日付フォーリャ紙サイトならびに3月17日付G1サイトより)