20日午後、ブラジル南部サンタ・カタリナ州(以下SC州)の人口4万7千人の町シャンシェレーで、最大風速時速160キロ(フォーリャ紙記述、エスタード紙では250キロ)の竜巻が発生し、多くの建物が破壊されたと22日付伯字各紙が報じている。
この竜巻で男性2人が死亡し、120人が負傷した。100人以上は病院で手当てを受け、40人が未だ入院中で、内3人は怪我のため、足を切断された。
損傷した家屋は2600軒を数え、複数の家は強風で巻き上げられ、体育館と保健所各1カ所が完全に破壊された。21日には住民や消防隊、警察が瓦礫の処理をし始め、被害総額を算出しようとしている。
イヴァン・マルケスSC州地域開発局長は、町の30%が被害を受けたと見ている。地域住民は竜巻のスピードは速く、3分もしないうちに町を通過していったという。
竜巻が10の送電塔を破壊したため、町の一部では停電が起きている。停電のため、給水設備が停まり、町の一部では断水も起きている。復旧には4日かかる見込みだ。
スクールバス運転手のアルシマール・スチルさん(33)は妻のクリスチアーネさん、生後間もない娘のアナちゃんの救出には成功したが、息子のガブリエル君(8)を救い出す際に家屋が崩壊した。ガブリエル君は事切れたスチルさんの体に覆われていたが、全身骨折を起こし、隣のシャペコー市の病院に運ばれたが、昏睡状態で生死の境をさまよっている。
シャンシェレー市のアデミール・ガスパリーニ市長とライムンド・コロンボSC州知事(社会民主党・PSD)は被害状況を確認の上、「非常事態宣言」(Calamidade Publica)を発令した。
ジウマ大統領は21日に州知事に電話をかけて援助を確約し、復旧支援に陸軍兵100人を派遣した。マノエル・ジアス労相は、被災者の勤続期間保証基金(FGTS)引き出しを認める準備に入る。緊急事態宣言や非常事態宣言が出た地域の住民で同基金に加入している人は、6200レアルを上限に積立金を引き降ろすことができる。