22日、ペトロブラスが2014年度の決算報告を公表し、同公社元役員らの贈収賄工作〃ペトロロン〃の影響などにより、1991年以来23年ぶり、かつ約216億レアルという大幅な赤字を計上したことが明らかとなった。大減益は予想されていたとはいえ、2月に就任したばかりのアウデミール・ベンディーネ総裁にとっては苦しい船出となった。23日付伯字紙が報じている。
同公社の決算報告は、ラヴァ・ジャット作戦で同公社元役員が逮捕されたことや汚職による損失未計上などの理由で、監査担当のプライスウォーター・ハウスクーパーズ(PwC)が昨年11月に第3四半期の決算報告の監査を拒否して以来、延期に延期を重ねた。
今年の1月末に発表された第3四半期の決算報告はPwCの監査を受けていなかったが、22日に発表されたのは、同社の監査も受けた14年第3四半期決算と第4四半期、ならびに14年の年間決算報告だ。
それによると14年の収支は23年ぶりの赤字で、その額は215億8700万レアルにも及んだ。第3四半期の赤字額は53億レアルだが、第4四半期の赤字額が約5倍の266億レアルに膨らんだことが響いた。
年間の収益は320億レアルだったが、損失はそれを大きく上回る約536億レアルに及んだ。内訳を見ると、贈収賄で62億レアル、プロジェクト延期などに伴う資産価値暴落で446億レアル、製油所の操業停止で28億レアルを失った。資産価値暴落はリオ州総合コンビナート(Comperj)の219億レアル、アブレウ・エ・リマ製油所の91億レアルなどが目立っている。
また、同公社の負債額は過去最大の3510億3千万レアルとなり、世界一負債の多い石油関連企業となった。23日の同公社の株価は一時8%以上下落したが、午後3時前の優先株式(PN)は前日比1・37%減に回復、普通株式は5・79%高になっている。
べンディーネ総裁は、今回の決算はペトロロンによる損失の返還見込み額を含めない厳しい内容で、5月以降徐々に返還されると語っている。ラヴァ・ジャット作戦の裁判を管轄するパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事は22日、同公社絡みの最初の判決で6被告に1800万レアルの賠償を命じた。
ムーディーズは既にペトロブラスの信用格付を投機級に下げており、スタンダード&プアーズやフィッチもそれに続くことが懸念されている。べンディーネ総裁は、負債軽減策を含む5年間の経営方針を30日以内に発表すると約束した。
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