インドネシア＝２人目のブラジル人死刑執行濃厚に＝国連事務総長の嘆願届かず

　インドネシアは潘基文国連事務総長の助命嘆願を拒否し、パラナ州出身のロドリゴ・グラルテ被告を含む９人の死刑執行を確定した。刑は２８日以降、いつでも執行されうると２７日付伯字紙が報じている。
　同被告は２５日に「銃殺刑に処す」との通知を受け取った。同被告は０４年に６キロのコカインをサーフボードに隠して同国に持ち込もうとして逮捕され、０５年に死刑判決を受けた。同被告は２６日、「（刑執行前の）三つの最後の願い」の表明を拒否し、自らの延命に自信を見せた。
　イ国政府の決定を知った潘国連事務総長は国連は死刑に反対しているとして、ジョコ・ウィドド同国大統領に「死刑制度廃止を視野に入れた死刑執行猶予期間採用」を要請したが、同国外務省広報官は「要請は承知したが、イ国民がサウジ・アラビアで死刑になった時に国連は何もしてくれなかった」とし、執行を止める予定がないとした。
　グアルテ被告の従姉妹のアンジェリータ・ムスフェルド氏は同国に滞在し、交渉の推移を見守っている。ブラジル政府と弁護士は、同死刑囚は精神分裂症で、責任能力を問えないと主張している。
　ブラジル政府は死刑延期を求めて交渉を続ける予定だが、刑執行となれば、グラルテ被告は、１月１７日に麻薬密売関与の罪で同国で死刑となったマルコ・アルシェル・カルドーゾ・モレイラ氏に続く、国外で死刑に処された２番目のブラジル人となる。