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俳優としての代表作、〃Que Rei Sou Eu?〃の魔術師ラベンガルに扮するアントニオ・アブジャンラ氏(Divulgação)
俳優としての代表作、〃Que Rei Sou Eu?〃の魔術師ラベンガルに扮するアントニオ・アブジャンラ氏(Divulgação)

A・アブジャンラ氏死去=自宅就寝中に心臓発作か=直前までTVの司会務める

 俳優、映画監督、TV司会などで知られるアントニオ・アブジャンラ氏(82)が28日朝、サンパウロ市中央部イジエノポリス区の自宅で亡くなっているのが発見されたと29日付伯字各紙が報じている。
 死因は検死を待って明らかにされるが、近親者は心臓発作ではないかと話している。
 葬儀は28日午後11時より29日午後1時頃まで、サンパウロ市中央部ベラヴィスタ区セルジオ・カルドーゾ劇場で一般公開の形で行われた。亡くなる直前まで司会を務めた「プロヴォカソンエス」の放送局、クルツーラ局によると、遺体はサンパウロ市東部のビラ・アルピーナ火葬場に送られた。
 ブラジル演劇界の重鎮で、老いてなお精力にあふれ、時に挑発的でさえあった同氏は、サンパウロ州オウリーニョス市で1932年9月15日に生まれた、南大河州でジャーナリズムと哲学を学んだ後、サンパウロ市に移り、61年より舞台演劇のディレクターとして活躍を始めた。
 87年からはTVドラマの俳優としても活躍し、89年のグローボ局のドラマ「俺は何の王様?(Que Rei Sou Eu?)」の魔術師ラベンガル役で、人気を博した。
 アントニオ・アブジャンラ氏のキャリアは主に演劇界とつながりがあったが、同氏は映画、TVの領域でも功績を残した。
 クルツーラ局では、2000年8月6日より亡くなる直前まで、各界の著名人に鋭く切り込む「プロヴォカソンエス」というインタビュー番組の司会を務めていた。皮肉なことに同氏はいつも「どんな死に方をしたい?」とゲストに質問する癖があった。多くの答えは「自宅で寝ている間に安らかに」というものだった。
 同氏の死は各界に波紋を呼んだ。ジルマ大統領もその死を悼み、「彼の存在感は我が国の芸術分野で傑出していた」と述べた。