25日のネパール大地震で被災したブラジル人の一部が、28日午後、サンパウロ州のグアルーリョス空港に降りたった。
アドリアーナ・フェレイラ・ダ・シウヴァさんは、落ち着かない様子で息子のマウリエーニ・ジュニオルさん(30)を待っていた。
マウリエーニさんはエベレスト山周辺を単独歩行していたが、地震のため、予定していた便に乗り損なった。「あんな経験は初めてだ」と入国ゲートで母と友人を抱きしめた直後に語った。
マウリエーニさんはカトマンズにバスで向かう途中の食事休憩中に被災し、「転倒して地震だと気付いた。周りの人達も混乱しており、絶望的な気分になった」と語る。
カトマンズ空港も大混乱し、全便が欠航していた。マウリエーニさんは当日中に母と連絡がとれて無事を告げたが、通信手段はすぐに絶たれた。 マウリエーニさんは28日にドーハへの便に乗ることができ、そこで再び家族と連絡がついた。
歯科医のマルコ・サリオーニさん(44)は地震当時、妻やブラジル人団体客らとカトマンズ空港で帰国便を待っていた。「皆が滑走路に向かって逃げた。押し合いへし合いで恐怖を感じた」と述べ、妻のレイラさん(42)も「空港に米国空軍機がとまっていたから、テロでも起きたのかと思った」と語った。2人は滑走路で4時間待機した後にドーハ便に乗れ、ドーハで2日待った後にブラジル行きの便に乗った。