4月29日、サンパウロ市中央の〃クラコランジア〃で薬物常習者が建てたバラック小屋の一掃作戦があり、常習者2人が負傷したと4月30日付伯字各紙が報じている。
薬物常習者が建てた小屋は〃ファヴェリーニャ〃と呼ばれ、市役所の一掃作戦は警察と常習者らの衝突に発展した。常習者らはバリケードを築いて抵抗し、機動隊は催涙弾を発射した。
アレシャンドレ・モラエスサンパウロ州保安局長は事前の連絡が無かったと批判したが、サンパウロ市側は返答していない。市警備隊(GCM)も、小屋の撤去で大きな衝突が起きる事は想定していなかった。
実際には、小屋の撤去作戦が始まると空気は一変した。作戦は同日朝から始まり、暴力的な光景が2度発生した。
最初は午後2時頃で、轟音が鳴り響き、現場の常習者は驚いて雲散した。これは、私服警察に気づいた一団が鉄棒で襲撃したため、追い払おうとした別の軍警が威嚇射撃をしたところ、地面で跳ね返った弾の破片で男2人が脚と首筋に負傷したもので、1人は救急外来に運ばれた。襲われた警官は入院している。
2回目は午後5時半頃で、常習者達が段ボールに火をつけて道路を封鎖したが、機動隊が接近しガス弾を放った。煙が猛烈に立ち上ったために住民が再び逃げ惑い、警察との衝突も発生した。
地域住民代表のリタ・ローゼ氏は「常習者はひ弱で病気の者もいる。手荒なことはしないと言っていたのに裏切られた」と失望をあらわにした。
サンパウロ市の目的は既に580人が登録済みの更正プログラムに常習者を取り込むことで、29日は88人が新たに登録、30人が収容施設への移転を受け入れた。
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