ブラジルに到着して3週間。事前に「治安が悪い」といわれ続け、気を引き締めていたつもりが〃少しの油断〃から意外な事実が発覚した。
先日、下宿先の部屋の鍵を編集部に置き忘れた。深夜で危ないので、しかたなく宿舎内の自室前の廊下に横になっていた時のことだ。別室のブラジル人大学生が、コラム子の部屋の鍵を手品のように渡してくれた。以前この部屋に住んでいた住人と友人で合鍵まで持っていたのだとか。
とりあえず、お礼をして笑顔で受け取り、自室に入ったが、どうも腑に落ちない。全財産を置く部屋に、さっきまで他人が簡単に入れた状況はどうなのだろう…。彼からすると廊下で横になっていた可哀想な若者に親切をしただけだろうが。
まずは管理者に苦情を言おうと思った。でも大学生とも話してみよう。警戒も必要だが、そればかりでは当地生活は楽しめない。(桃)