カンタレイラ水系を中心に14年から水危機が叫ばれる中、サンパウロ州水道公社(Sabesp)に水道代を15・24%調整する許可が下りたと5日付伯字紙が報じた。
大サンパウロ市圏やカンピーナス地方の給水源であるカンタレイラの水危機は、同公社に、節水やボーナス(割引)による減収、〃未開の水域〃の水開放のための設備や水系間の連結工事などの投資増額といった負担を強いた。
同公社は14年12月にインフレ率とほぼ同率の6・5%の水道代調整許可を得たが、14年の同公社の収益は13年比53・1%減の9億300万レアルだったため、今年に入って、13年以降の損失の埋め合わせも含め、22・7%の調整許可を求めていた。
サンパウロ州上下水道・エネルギー規制機関(Arsesp)は4日、14年12月に調整されなかったインフレ率との差の0・5%ポイントとそれ以降の累積インフレ率、ポンプ稼動などに必要な電力の上昇分などを考慮に入れ、当初認めた調整率を上回る15・24%の調整を認めた。実際の調整は官報掲載から30日後の6月からで、使用量が10立方メートル以下の一般家庭の料金は、現行の35・62レから41・27レとなる。
他方、4日付エスタード紙などによれば、4月末時点の全国の水力発電所ダムの平均貯水率は33・85%だ。雨が減る5月以降は貯水率が更に減り、年末は10%を割るのではとの予想も出ており、電力供給カットへの懸念は消えていない。
飲用水や農業用水、電力確保という意味と水道代値上げで、今後も節水が声高に叫ばれそうだ。