【既報関連】テオリ・ザヴァスキ最高裁判事が5日、エドゥアルド・クーニャ下院議長の執務室への立ち入り捜査と同議長に関する捜査期間延長を認めた。また、ペトロブラス(PB)元供給部長のパウロ・コスタ被告は同日、下院PB議会調査委員会(CPI)で、「PBを巡る汚職はブラジリアが起源」で、事業を請け負った企業の賄賂は見返りを期待しており、正規の献金の形も取っていたと語ったと6日付伯字紙が報じた。
一連の動きは、連邦警察のラヴァ・ジャット作戦(LJ)作戦で摘発された、PBを巡る大型汚職〃ペトロロン〃捜査で新局面が展開している事を示している。
クーニャ氏の名前は検察庁が最高裁に出した、ペトロロン関与の政治家リストに入っており、現在も捜査が進行中だ。同氏側は潔白だと主張して最高裁に捜査中止を要請したが、ロドリゴ・ジャノー検察庁長官は4日、クーニャ氏の関与を強く示す要素があるとの意見書を最高裁に提出。その言い分を認めたのが、執務室の捜査認可と捜査期間延長といえる。
クーニャ氏の関与を裏付けると見られるのは、民主運動党(PMDB)を潤していたとされるPB国際部絡みの事業を請け負ったサムスンと三井グループからの金が途絶えたとして、11年8月に下院のCPIにこれらの企業とPBとの関係の調査を依頼したと4月28、29日付フォーリャ紙などが報じた件だ。
同紙によれば、調査依頼の文書2件はクーニャ氏が作成、現在リオ州リオ・ボニト市長の元下議の署名入りだ。クーニャ氏と元下議は共に関与を否定しており、事実関係解明のために執務室への捜査許可が出た。なお、6日付で報じた通り、ブラジル三井物産は伯字紙報道を「事実と異なる」と否定している。
他方、コスタ被告は下院CPIで、ペトロロン絡みの企業からの献金は大半が賄賂で、事業獲得のために金を払うのは当然とみなす体質が出来ていた事、PB理事は基本的に政治家の後ろ盾がある事、供給部長時代には労働者党(PT)やPMDB、進歩党(PP)、民主社会党(PSDB)の関係者と接触があった事などを明らかにした。また、10年の大統領選では、アントニオ・パロッシ氏(PT)の要請でジウマ陣営に200万レを払った事にも言及。経営陣はカルテルの存在を知っていたが黙認していた事、ペトロロンによる損失は14年の損失の10%程で、政治的な意図による燃料価格据え置きがより大きな痛手を与えた事なども語った。
なお、パラナ連邦地裁では5日、PB元サービス部課長のペドロ・バルスコ被告に、スイスの秘密口座の残金からPBに1億5700万レアルを返還するようにとの命令が出されている。
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