連邦下院が5日、高等裁判所裁判官らの定年を75歳までに延長する憲法補足案(PEC)の2度目の投票を行い、法案を承認したと6日付伯字紙が報じた。
PEC・ダ・ベンガラ(杖の憲法補足案)と呼ばれる法案は、上院でも07年に2度目の承認がなされており、7日午前11時からの上下両院合同の法令交付式を経て、正式発効となる。最高裁と高等裁、連邦会計検査院(TCU)の判事の定年が、70歳から75歳に引き上げられる。
同法令公布によりジウマ大統領は、定年前の辞任者が出ない限り、今年退任予定だったセウソ・デ・メロ判事、16年に退任が予定されていたマルコ・アウレリオ判事、18年に定年を迎えるはずだったリカルド・レワンドウスキ、テオリ・ザヴァスキ、ローザ・ウエベル各判事、計5人の最高裁判事の後任を選ぶ権利を失う事になる。
現政権や労働者党(PT)は法曹界の革新が遅れるなどの理由で同法案承認に反対していたが、5日の下院は333対144で同法案を承認。クーニャ氏が下院議長になって以降、政府やPTの意向に反する法案審議や承認が続いている。
レナン・カリェイロス上院議長は、「ジウマ大統領やミシェル・テメル副大統領は今回のPEC承認で権限の一部を失うかもしれないが、現在のブラジルは、年金生活者4人に1人は最高裁を退職した元判事だから、年金の負担削減という意味ではブラジルにとってプラスに働く」と評価している。
現在のブラジルの平均寿命は74・9歳まで伸びており、定年延長が他の分野にも広がれば、国の財政負担も減る事になる。