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最高裁がラバ・ジャット作戦を骨抜きに?

ヴェージャ誌電子版に掲載されたモーロ判事の記事

ヴェージャ誌電子版に掲載されたモーロ判事の記事

 ラバ・ジャット作戦を指揮する若き連邦裁判所判事セルジオ・モーロ(43)の戦略は、イタリアで90年代に実施された「奇麗な手作戦」に発想の源泉があるという。ヴェージャ誌電子版4月30日付には《モーロの三本柱バランス》との記事があり、「拘禁・供述・報道」が大型汚職事件解決の三本柱で、これが相まって相乗効果を生み、強固な汚職組織の内部結束を崩すという▼まずは容疑者を予防拘禁して時間の経過と共に精神的に追い詰め、供述に追い込む。減刑付き供述(司法取引)制度は捜査を加速させる。供述内容をマスコミが報道することで、賛成世論を喚起して捜査のあり方を堅持するというものだ▼でも4月末の最高裁判決で3本柱の一本、拘禁が崩れた。未判決の容疑者は本来〃推定無罪〃であり、モーロ判事の手法が強引すぎるとの批判があったことも事実だ。予防拘禁は「逃亡の危険がある場合」に処置されるもので、「彼らにその危険はない」というのが最高裁の判断だ。この判決で大手建設会社社長ら9人が刑務所から自宅拘禁扱いになった。今まで司法取引に応じてきた容疑者らは皆、自宅拘禁にしてもらうために減刑付き供述をしてきたから、今後は供述を得るのが難しくなる▼しかもこの最高裁判決は、元PT弁護士で〃体制寄り〃と目されるディアズ・トフォリ判事が移った班で3対2の評決で決まった。ヴェージャ誌によればモーロ判事はこの判決に驚かず、「政権要人が関係する犯罪を裁く場合、反発が起きるのは当然」と冷静だ。早ければ来月にもモーロ判事は次ぎの判決を下し、自宅拘禁中の何人かは正式に囚人になると予想される。(深)