サンパウロ総合大学と経済調査院(Fipe)の調査によると、サンパウロ市の路上生活者は1万5905人で、2011年の調査時の1万4478人より10%増えたと9日付フォーリャ紙が報じた。
路上生活者の数は一般市民の数に比べると急速に増えている。2000年代は年5・14%の割で増えたいたものが、2009年以降は年2・5%増に止まり、ペースが落ちている。15年間の増加率は82%で、3日に4人の割で路上生活者が増えている計算になるという。
同じ期間の一般市民の増加率は、2000~10年が1%以下、過去5年間では2・9%だというから、いかに路上生活者が増えたかがわかる。
路上生活者に関する調査は、社会政策などを考案する際の重要指針の一つで、15年調査では路上生活者の82%は男性で14・6%が女性、3・4%は性別不詳だ。年齢別では、31~49歳が36・6%で最も多いという。
路上生活者が最も多いのはセー区で52・7%が集中。2番目はモオッカの11・5%、以下、ラッパ5・6%、サンターナ/ツクルヴィー3・7%、ピニェイロス2・9%と続く。
一方、サンパウロ市が用意している路上生活者用の施設の収容人数は9千人で、全ての路上生活者を収容するのは不可能だ。
ハダジ市長は調査の結果には驚かず、「自分が市長になってからは前市長の時のように排斥したりしないから、以前は調査員を見たら隠れていた路上生活者達がありのままの姿を見せるようになってきただけだろう」と話している。サンパウロ市では、路上生活者のための収容施設増設などへの投資も継続して行っているという。