米国訪問中のジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事が11日、水危機解消のための工事のために世界銀行から1億5600万レの融資を受ける事が決まったと発表したと12日付伯字紙が報じた。
融資の対象となる工事は4件で、同州の水危機解消のための最優先課題とされているリオ・グランデ水系のビリングス湖とアウト・チエテ水系のタイアスペバ貯水池を結ぶ工事へは4900万レアルが融資される。この工事は予定より3カ月遅れ、先週から始まった。総工費は1億3千万レアル、完成は9月の予定だ。サンパウロ州水道公社(Sabesp)は、この工事によってアウト・チエテからの放水量は毎秒4千リットル増えるから、カンタレイラ水系への依存度を大幅に下げる事が出来ると見ている。
これ以外の融資の対象は、7月に着工予定のグアラビランガ水系の浄化能力向上のための工事に4200万レアル、ビリングス湖に流れ込む生活排水などの量を減らす汚水回収装置設置のために4500万レアル、古い集合住宅の汚水槽や水道設備改善のために2千万レアルとなっている。
アウキミン知事は四つの工事は5月から始まる少雨の期間中に完成する予定と説明する一方、計画断水の可能性を完全に否定する事は避けた。
12日朝現在のサンパウロ州水系の貯水率はカンタレイラ19・8%(未開の水域解放前の基準ではマイナス9・4%)、アウト・チエテ23・0%、グアラピランガ82・4%、アウト・コチア67・5%、リオ・グランデ96・0%、リオ・クラーロ53・5%。
同知事は米州開発銀行からも官民合同プロジェクトのための資金援助の約束を取り付けている。