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上院憲法法務委員会で諮問を受けるファキン氏(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)
上院憲法法務委員会で諮問を受けるファキン氏(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

上院委員会がファキン氏承認=11人目の最高裁判事=11時間の諮問の末に=20対7で賛成が上回る

 上院の憲法法務委員会(CCJ)は12日、空席となっていた11番目の連邦最高裁判事にジウマ大統領が4月12日に指名したルイス・エジソン・ファキン氏(57)の諮問を行った。労働者党(PT)寄りと疑われている件もあり、11時間に及ぶ質疑応答の末、賛成20票、反対7票で承認した。

 同委員会で2010年の統一選でPTの選挙キャンペーンに参加した事を問われたファキン氏は、2012年のメンサロン裁判で、PT支持でありながらPT議員に実刑判決を下した、前最高裁長官のジョアキン・バルボーザ氏を例に挙げながら、いかなる政党に対しても独立した裁定を下す所存だと述べた。
 ファキン氏が最高裁判事の職に就くためには、上院本会議での承認も得なければならない。レナン・カリェイロス上院議長(民主運動党・PMDB)は、正式決定を急ぎたい政府の意向に反し、上院本会議での採決は19日と定めたが、CCJは同氏承認を13日の議会に緊急検討事項として提案する意向だ。
 ファキン氏は諮問の冒頭で、大統領による最高裁判事への指名以来巻き起こった批判にも自分は〃耐え、生き抜いた〃とした。
 同氏は中絶や大統領罷免、選挙資金調達などは司法府でなく立法府が扱うべき問題で、最高裁は「道を渡るべきではない」(司法が関与すべきではない)との表現でその見解を明らかにした。
 上院CCJでの投票の直前には、現在のラヴァ・ジャット事件裁判の事には直接言及せずに、刑事事件の裁判の課程においての〃報奨つきの供述〃は状況証拠としては使えるが、決定的な証拠ではないとした。ペトロブラス関連の汚職事件に関与した疑いで最高裁に告発され、検察庁の捜査対象となっている政治家は48人おり、その中には上院CCJに席を連ねる議員も含まれている。
 アロイージオ・ヌーネス上議(民主社会党・PSDB)はファキン氏に、パラナ州検察官と弁護士職を同時に務めていた件が地方条例に触れるのではないかと詰問したが、ファキン氏はブラジル弁護士会(OAB)同州支部の許可は得ていたと答えた。
 11時間に及ぶ諮問後に承認されたファキン氏は、「これほど多くの上議達の注目を浴びたこと自体光栄に思う。次のステップ(上院本会議)を待つ」と述べた。
 連立与党側はCCJでのファキン氏承認は楽観視していたが、上院本会議では民主運動党(PMDB)が大統領を揺さぶるために造反するのではないかと懸念している。