中国の李克強首相が19日、1600億レアル相当の経済協力協定を携えてブラジルを訪問すると13日付フォーリャ紙が報じた。中でも特筆すべきはブラジル南北鉄道をペルーに延ばし、太平洋に出るルート(トランスオセアニカ)開発プランだ。工費は135~300億レ(45~100億ドル)と見られている。
英誌「フィナンシャルタイムズ」は、この計画はアマゾンを切り開く必要があるため、先住民族や環境保護派の反対運動は不可避と予想している。このため、ボリビアの協力も仰ぎ、ペルー南部の砂漠地帯を通るルートも検討されている。
この計画は、中国への主要輸出物である大豆、鉄鉱石を太平洋経由で輸出し、輸送コストを下げるのが目的で、現在はブラジル、中国、ペルーのみが交渉に参加している。
李首相の提案は、鉄道建設だけにとどまらない。首都ブラジリアで締結される予定の協定には、ブラジル産業界の生産力を上げるインフラ設備投資を筆頭に、34の項目が含まれるという。
ブラジルの生産能力を上げることで、対アジア政策担当のジョゼ・アウフレッド・グラッサ・リマ局長の夢である、「鉄鉱石の輸出を減らし、鉄鋼製品の輸出を増やす」ことが可能になる。
ブラジルは主に原料を輸出し、工業製品を輸入してきた。ジウマ大統領は11年に中国を訪問した際に、「半ば植民地的な関係だ」と不満を表明したが、それ以来、中国の景気減速とブラジルの景気低迷の結果、両国間の輸出入の流れが弱まったと言う事実を除けば、この関係は何ら変わっていない。
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