ＰＢが５３億レの黒字に＝市場の予想大幅に上回る＝負債増加は懸念材料だが

　ペトロブラス（ＰＢ）が１５日、第１四半期は昨年同期比１・２％減の５３億レアルの黒字だったと報告したと１６日付伯字紙が報じた。
　連警のラヴァ・ジャット作戦で大型汚職が摘発された２０１４年は、汚職に伴う損失を計上すべきとする監査会社が、収支報告書への署名を拒否したため、第３四半期と１４年の決算報告が大幅に遅れたが、今回の報告は通常の期間内に監査も経た上で行われた。
　決算報告前には第１四半期の純益は昨年同期比４９・５％減の２７億２千万レとの予想が出回った事もあり、昨年同期比減ではあっても５３億３千万レの黒字と発表後は株価も上昇した。昨年の収支は、第１四半期と第２四半期が５３億９千万レと４９億６千万レの黒字だった後は、第３四半期が５３億４千万レ、第４四半期も２６億６千万レの赤字だった。
　第１四半期の収入は７４３億５千万レで昨年同期比８・８％減だが、第１四半期の収支が昨年同期並みの黒字に転じた最大の理由は燃料価格が適正化された事だ。ガソリンやディーゼル油の価格は政府の統制下にあり、インフレ高騰を恐れた政府が、国際価格高騰中も国内価格を抑制していたため、ここ５年間での損失は６００～８００億レに上っていたという。
　だが、現政権の経済スタッフは人為的な価格統制によるインフレ抑制を避ける方針のため、現在の燃料価格は国際価格より若干高い位だ。これにより、燃料販売を担当する供給部は、販売量低下にも関わらず、２０１０年以来初の６１億８１００万レの黒字計上となった。エタノールとの競合で第２四半期の燃料輸入は減少する見込みだが、燃料価格の不均衡で生じた損失は徐々に回復すると見られている。
　負債の増加は懸念材料で、第１四半期のドル建て負債は昨年末の１０６２億１００万ドルより少ない１０３６億３４００万ドルとなったが、短期負債は為替変動などにより２５・８％増の３９７億２１００万レとなり、総負債額は１２４９億レに達した（エスタード紙より、フォーリャ紙記載の負債額は３３２４億５千万レ）。４月１日の中国開発銀行からの３５億ドル始め、５月にはブラジル銀行から４５億レ、連邦貯蓄銀行から２０億レ、ブラデスコから３０億レ、スタンダード・チャータード銀行から３０億ドルの融資獲得と報告されたが、第１四半期の投資額は昨年同期比１３％減の１７８億４３００万レだった。
　財務部長のイヴァン・モンテイロ理事は、負債増加は懸念材料である事を認めつつ、負債軽減策やその期間は新しい取引計画発表後に明らかにするとの意向を表明した。