お店やバスの張り紙にこんなことが書いてあった。「このバスはヒッチハイクできません。粘ってもダメ」「小銭でのお支払いにご協力ください。尚小銭が余っていたら当店のお札を両替してください」。バスをヒッチハイク、しかも粘る人がいるのか。お客さんに店のお金の両替を頼む店があるのか――。まず〃日本の常識〃では考えにくい状況だ。
なんでも「ダメモト」で試しに言ってみるチャレンジ精神の現われとの解釈は、好意的すぎるか。オーリャ子もそれに影響され、随分図太くなってしまった。
例えば露天商には、ドキドキしながらも「半額にまけて」で交渉スタートだ。露天商には、私程度はまさに「赤子の手をなんとやら」だろう。彼らに渡りあう逞しさを身につけるべきか、今なら間に合うと謙虚な日本人にもどるべきか。(規)