フェルナンド・ハダジサンパウロ市長(労働者党・PT)が、主要公約の一つだった、16年末までに243カ所の公立保育園を設置するという目標の実現は困難であることを認めたと20日付フォーリャ紙が報じた。
サンパウロ市教育局の試算では、現在完成または完成間近な47の保育園に加え、100カ所の保育園を建設する分の予算しかなく、最終的に、公約の60%の147カ所の設置で終わるだろうとの見込みを示した。
今年、サンパウロ市教育局長に就任したガブリエル・シャリタ氏は、公立の保育園が不足する分を、民間経営の保育園との委託契約を拡大することで埋め合わせることを考えており、「これまでも保育園の建設には努力してきたが、新しい保育園の建設以上に大切なのは、子供たちが就学する場を失ったままにしないことだ」と述べた。
サンパウロ市には保育園入園待ちの待機児童が10万6千人おり、待機児童者をゼロにするためには更に500の保育園が必要だが、これは今後建設可能とされる保育園数の5倍に当たる。
サンパウロ市は不況に伴う税収減とそれに伴う予算不足に苦しんでいる。幼児教育は市の責任で、国や州の支援を仰ぐこともできるが、現時点では連邦政府や州政府からの資金援助も期待できずにいる。
民間経営の保育園と委託契約を結び、保育園の(見かけ上でも)定員を増やす戦略はこれまでのサンパウロ市長も取ってきた。民間施設は市役所より早く保育のための場所や保育士を確保できるが、保育の質の方は必ずしも担保されてこなかった。
今日のサンパウロ市には、サンパウロ市と契約を結んだ、民間経営の保育園が1千カ所、と、市が直接運営する保育園が360カ所ある。