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オーリャ!

 70周年、80周年、100周年と記念式典を執り行うコロニアもあれば、日系団体として存続はしていても、歴史を繋ぐ者を失った地域もあると知った。先日「母の日の集い」を行った聖南西のタピライ文協は、1936年に入植が開始されたそうだが、もう正確な資料を保管する人がいないのだという。
 タピライの長老松村猪正さん(80、二世)は「草分けの一世がみんな亡くなってしまってね。日本語を話す人も減ったし、いつからか式典はやらなくなったよ」と寂しげに語る。炭焼きから始まり、トマトの生産などが行われ、今では生姜や里芋の生産で有名な同コロニアだが、かつては「1カ月に2度空が見えればいい方」という雨に悩まされ、大変な苦労があったという。
 集いに来ていた子らを見て、残すべき歴史があることを感じ、コラム子が記者としてできるは何か―と考えさせられる時間になった。(桃)