上下両院が20日、連邦政府の経済スタッフが提唱する財政調整に不可欠な法案の審議を、26日以降に先延べした。失業保険の適用を厳格化する暫定令(MP)665や年金規制を変更するMP664は6月1日までに可決されないと有効期限が切れるため、財政調整が失敗に終わることを懸念する政府と議会との駆け引きはまさしく神経戦となってきたと21日付伯字紙が報じた。
上院は20日にMP665の審議を始めたが、論議が紛糾し、承認は26日に持ち越された。来週はMP664などの審議も待ち構えている。通常は月曜日は議会が休会となるため、上院は来週中に両法案の採決を終わらせる必要がある。
一方、政府が20日にと期待していた下院での社会保障費緩和法見直しも、民主運動党(PMDB)議員らがミシェル・テメル副大統領にジョアキン・レヴィ財相が提唱する企業の社会保障費負担率引き上げは受け入れられないと通達した。
副大統領は今週中に同法案の採決を行うべく、議員との会合を重ね、連邦政府も交渉の時間を作るために予算削減の公表を遅らせたが、採決日程は合意に達していない。
同法案報告官のレオナルド・ピッシアーニ下議(PMDB)によれば、クーニャ下院議長は来週は政治改革の議論だけに費やす意向で、社会保障費緩和法見直しの採決は6月10日にもつれ込む可能性が大だ。財政調整関連法案の採決が遅れる事で、23日に発表される予算カットの幅は750億レアル前後になる可能性が高まった。
PMDBは、メルカダンテ官房長官が副大臣、局長クラスのポストを一向に公開しないのを不満としている。同長官は、手続きには時間がかかるが、同党への人事の割り当ては徐々に公開すると弁明したが、議会審議を加速できるかは不明だ。
上院では、本会議での否決の可能性を鑑み、上院政府リーダーのデウシジオ・アマラル上議PT)が、MP665の投票延期を申しでた。
政府側は26日の再審議までに同法案承認に必要な支持票獲得を図る時間を得た事になるが、現在の状況は決して楽観視できないと見ている。
上院では20日、連立与党系議員を中心とする超党派の議員グループが財政調整の要であるMP664と665への反対を表明した。同グループは、タルソ・ジェンロ元南大河州知事やマルシオ・ポシュマン元応用経済調整院院長らによる、現在の財政調整法案は経済を縮小させるもので、経済成長こそが国庫に安定をもたらし、国の発展につながるとする説を擁護する宣言書を出し、ジウマ大統領の経済政策の変更を要求している。