マルセロ・カストロ下議(PMDB・民主運動党)による政治改革法案報告書の検討が25日に下院の特別委員会で始まり、その後3日かけて下院本会議で審議される予定だが、政治改革に関する上下両院、各政党の見解の相違は埋めがたく、またしても、掛け声だけで終わりそうな様相を呈していると25日付エスタード紙が報じている。
上院の政府リーダー・デウシジオ・アマラウ氏(労働者党・PT)は「政治改革はもう終わった。現情勢では議論がどこに落ち着くのか見通しが立たない。上院と下院で議論がまったくバラバラだ」と述べた。
議会は数年前から政治改革を行おうとしているが、意見の相違は著しく、「議員誰もが自分の議席を守ろうとしているから、政治改革の論議はまったく進まない」とエドゥアルド·クーニャ上院議長(民主運動党・PMDB)は語った。
PMDBは選挙制度改革を改革の目玉と位置づけており、クーニャ下院議長は、各州ごとに得票の多い候補者が選出される選挙制度(ジストリトン)の適用を提唱している。同案にはテメル副大統領も賛同している。
選挙制度改革案はその他2種を含む3案があるが、現有連立与党勢力だけでは、承認に最低限必要な、定数513人の6割超(308人)の賛同を得られず、いかなる案も承認には至らない。半数を得票順、残る半数は比例代表制でと考えている労働者党(PT)は、民主社会党(PSDB)との協力を考えている。
クーニャ議長は、少しでも改革案を進展させるために、変更点一つずつを承認する意向で、カストロ下議の報告書を一括で投票することを避けようとして動いている。
カストロ下議は報告書の中でジストリトンに基づく選挙制度改革の他、大統領、知事、市長の再選禁止と選挙資金献金を政党に限る制度、公職任期を5年に統一する制度をなどを提唱している。
「政治制度改革の最後のチャンスだ。必ずやり遂げねばならない。さもなければ、現行制度に甘んじなければならず、そうなったら悲劇だ」とカストロ下議は言った。