【既報関連】上下両院での財政調整法案の審議を控えた週の始め、ジウマ大統領はジョアキン・レヴィ財相と会談し、財政健全化の舵取り役としての同財相の役割を再確認した。大統領府は経済政策チーム内に意見の不一致があるのではとの報道を否定し、金融市場を落ち着かせるため、記者会見を設定した。レヴィ財相は22日に発表された699億レアルの予算削減額は「適切な値」と発言したが、今年の税収減少についての警告も鳴らしたと25日付エスタード紙が報じた。
連邦議会が3月に承認し、4月に裁可された予算は歳入を1兆4480億レアルと見越していたが、22日の予算削減発表時は歳入を1兆3720億レアルと予測した。この予測も下回る事態が予想されれば、財務省は増税に頼ることになる。
22日の予算削減案発表はレヴィ財相が不在の中、ネルソン・バルボーザ企画相によって行われたが、レヴィ財相は25日、その後に流れた、699億レアルという予算削減額に不満を持っているとの報道を否定した。同財相は800億レアル近い削減を主張していたが、25日には「削減計画は適切な値を出した。予算削減は既に実行段階に入った政策の一つだ」と述べた。
25日にジウマ大統領が行った、財政調整のための暫定令(MP)664、665号の採決に向けた話し合いに欠席したのは、背中の痛みを訴えたバルボーザ企画相の方だった。大統領との会談後、メルカダンテ官房長官とともに記者会見に臨んだレヴィ財相は、企画相との意見の乖離を否定し、政府からの退任はあり得るかとの質問にも「退任は一切考えていない」と明確に答えた。
レヴィ財相を財政調整の中心人物と知らしめることは、財政調整で「正念場」を迎えている政府にとり、戦略的判断だ。
財政調整のための三つの暫定措置は、6月1日までに上院で承認されなければ有効性を失う。上院で最初に審議されるのは、失業保険の適用基準などを厳しくし、今年だけで50億レアルの歳出削減が見込まれているMP665号だが、労働者党(PT)を含む与党議員の一部は、政府が望んでいる形での同法案承認に抵抗している。
テーメル副大統領との会談後、3度目の会見に臨んだレヴィ財相は、国内総生産の1・2%という基礎的収支黒字目標が達成できなければ辞任するのかと尋ねられたが、「想像が飛躍しすぎだ。我々が討議しているのは現実的な問題だけで、どうやったら今週中に暫定令の承認を得られるかを話し合った。我々が一番案じ、優先しているのは(下院審議さえまだの)社会保障費緩和法の改正の事だ」と答えた。