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聖州保安局のアレッサンドレ・デ・モラエス局長(左から2人目、Celina Oliveria/SSP-SP)
聖州保安局のアレッサンドレ・デ・モラエス局長(左から2人目、Celina Oliveria/SSP-SP)

積荷強奪や銀行強盗増加=サンパウロ市とサンパウロ州で共通の傾向=警備や輸送の経費も上昇

 サンパウロ州保安局が25日、サンパウロ州とサンパウロ市では積荷強奪(強盗)や銀行強盗が増えていると発表したと26日付伯字紙が報じた。
 4月の犯罪統計によれば、サンパウロ市での積荷強奪は387件から463件に19・6%、サンパウロ州でも702件から761件にと8・4%増えた。1~4月の統計ではサンパウロ市が1941件で17・7%増、サンパウロ州が3133件で9・2%増となっている。
 サンパウロ市での積荷強奪の36・8%はスーパーや小売店への納品時などに起きている。また、衣類の搬送中が10%、盗品の8%は電化製品だった。
 輸送会社のブラスプレスによると、輸送中の積荷強奪は減っているが、サンパウロ市やリオのような大都市では、納入時(荷降ろし)が危険だという。サンパウロ州保安局によると、港や飛行場のあるサントスやカンピーナスといった地域の高速道や倉庫の近くでは、積荷強奪を専門とする武装化組織による犯罪が多いという。
 サンパウロ州の輸送業者組合によると、2014年のサンパウロ州での積荷強奪被害額は10億レアルに達している。狙われ易いのは食品や医薬品、電化製品だ。
 ブラジル電気電子工業会によれば、2013年から14年にかけての電化製品の強奪は20%増えており、製品自体にも追跡用のチップを組み込む、トラックの搬送ルート変更などを即座に突き止めるシステムの構築など、ハイテク利用の盗難防止策にかなりの経費をつぎ込んでいるという。ブラスプレスの場合、この2年間で同種の対策に費やした金は5千万レアルに達した。26日付G1サイトによれば、カンピーナス地方では1~4月に53件の積荷強奪が起きており、種々の対策費などで輸送費が8~12%上昇した。同地方では5月も既に19件の積荷強奪が起きている。
 また、4月のサンパウロ市での銀行強盗は12件で、4件だった昨年同月の3倍になった。この数には、現金自動預け入れ機を爆破して現金を盗むケースは含まれていない。サンパウロ州での銀行強盗件数も14件が20件に増えた。
 州保安局によれば、人や家、商店を狙った一般の強盗事件は、サンパウロ市で5・6%、サンパウロ州で8%減少。殺人はサンパウロ市で1%、サンパウロ州で7・2%、強盗殺人はサンパウロ市で43・7%、サンパウロ州で8・1%、強姦はサンパウロ市で18・5%、サンパウロ州で18・4%減少した。
 州保安局では4月の検挙率は9・2%上がっており、巡回、警邏などが奏功したと見ているが、強盗事件は2万5500件と高止まりしており、被害者の52・8%は歩行者だ。歩行者の被害は昨年4月の49・1%より増えており、盗品の15%は携帯電話だった。