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サンパウロ市長が汚職防止法案提出=対象は一般職から上級職まで

 フェルナンド・ハダジサンパウロ市長(労働者党・PT)は27日、私有財産の増大理由を説明できない、もしくは私有財産の公開を拒んだサンパウロ市職員を辞任させる法案を市議会に提出したと同日付エスタード紙が報じている。
 今回の法案は1979年に公布された市職員内規の改正案で、給料に見合わない額の蓄財をした職員は、たとえ公職において不正を行ったことが確認されなくても、市がその職員を解雇することを認める内容となっている。
 「汚職が証明されたかどうかに関係なく、蓄財方法を説明できない公務員には辞めてもらう」と同市長は述べた。
 市職員内規の改正が市議会で承認されたら、行政において不正行為を実行した公務員も、個人的利益を得るために職務を利用した公務員も解雇の対象になる。
 市の職員に対してより厳しい罰を与える改正法案の他にも、サンパウロ市は官報で、公務員と上級管理職の職務規範を定めた条例を公布した。同条例では上司や雇用者が不法な行為を強要したりした場合には当局に知らせることを義務付け、公務員が市役所でのビジネスに関心を持っている個人や企業に便宜を図ることや、機密情報を漏らすことも禁じている。「倫理要綱は違法行為を防ぐだけではなく、公務員の道徳性を高める」とハダジ市長は述べた。
 同条例は公費による出張を利用して選挙に絡んだ政治的なイベントに参加することも禁じており、その規定は市長や副市長と局長クラスにも適用される。