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カルロスさんとエレナさん
カルロスさんとエレナさん

世界一の女性シェフが和食礼賛=エレーナ・リッゾ氏ら招き晩餐会=道クルツラルが日本食普及で=キッコーマンも新商品紹介

 英国のグルメ誌『ザ・レストラン』で昨年〃世界一の女性シェフ〃に選ばれたエレーナ・リッゾさんを招き、サンパウロ市の有名日本食店「藍染」で18日、特別晩餐会が開かれた。本紙取材に答え、5年前の日本での美食体験を「最高の旅行」「思い出すだけで頭がおかしくなりそう」などと振り返るなど、世界的シェフは和食礼賛に終始した。有名シェフに本格和食を体験させ、普及を図ることが目的のイベントで、道クルツラル(高橋ジョー代表)が主催した。

寿司の盛り合わせ

寿司の盛り合わせ

キッコーマンの新商品

キッコーマンの新商品

 当日は、食文化研究者カルロス・ドリア、『Manu』誌編集長のペドロ・マルケス、料理研究家のマリザ・オノさんら7人が同席し、同店の清水テルマシェフによる懐石を堪能した。
 参加者らは、いくら乗せ白ゴマ豆腐、アワビの生姜あんかけ、海鮮から揚げ、刺身・寿司の盛り合わせ、ちり蒸し、和牛ステーキなど厳選された旬の素材の持ち味を活かした料理の数々を、清水シェフお勧めの醤油と共にじっくり味わった。
 2010年に日本料理アカデミーの招聘で20日間の訪日研修に参加したエレーナさんは、「この味、日本を思い出す」と懐かしそうに言い、風味付けに使われた食材について時折質問していた。
 訪日旅行について尋ねると、「朝5時に起きてひたすら食べた」と呆れたように笑い、「ブラジルでは砂糖や塩を大量に使うので味が物足りない気もしたけど、京都の旅館で頂いた料理の盛り付けは本当に美しかったし、女将のサービスも素晴らしかった。どの店も同じ材料を使っているのに、料理は一つ一つ違っていて感動した。今までで最高の旅行だった」と目を細めた。
 ゆば、柚子、山椒など日本ならではの季節感ある食材が特に印象に残ったようで、「一番美味しかったのは米。匂いもよいし新鮮だし、少し歯ごたえと粘りがあって―あの美味しさを思い出すだけで、頭がおかしくなりそう!」と興奮気味に気に入った食材の魅力を語った。
 エレーナさんがオーナーシェフのブラジル料理店「Mani」でも昆布や鰹節、醤油などの日本食材を活用しており、和食の土台である出汁の理解に努める。また4月にNPO「カマラ・カスクード食文化センター」(C5、12年9月設立)の総裁に抜擢されたことから、当地でも本格的に和食について研究する場が増えそうだ。8月には早速、同センターによる和食体験ワークショップが企画されている。
 当日はキッコーマンの後援で、使いやすい新容器「いつでも新鮮 やわらか密封ボトル」を使った醤油3種が各種懐石料理に添えられ、エレーナさんは「この容器とても使いやすい。ブラジルにもあればいいのに」と新商品に関心を寄せていた。


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 2010年9月から日本市場に出回っているキッコーマンの新容器「いつでも新鮮 やわらか密封ボトル」は、同社の10年以上に渡る研究の集大成。醤油を押し出した後に空気が入らず、長期間鮮度を保てる仕組み。コラム子も訪日した際に買い求め自宅で愛用中だが、逆さにしてもこぼれないし、注ぎ口が細く微調整が効くので重宝している。容器にも徹底的にこだわる日本企業の職人魂の表れか。年末には当地でもお目にかかれそうだ。
     ◎
 「Mani」オーナーシェフ、エレーナ・リッゾさんが代表を務めるNPO「カマラ・カスクード食文化センター」は、ブラジル食文化のルーツを生涯研究し続けた文化人類学者カマラ・カスクード(1898―1986)の研究の伝承を目的に設立された団体。料理研究家、歴史家、人類学者、栄養士、食のジャーナリスト等がメンバーとなり、サンパウロ市を拠点に活動している。ブラジル食文化の普及に努めるほか、料理人と食材生産者との交流も図るとか。和食に関心が高いエレーナさんが旗振り役となり、ブラジル料理の中にさらに日本食的な要素を盛り込むなど、日本食材の消費の底上げが進みそうだ。