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27日の下院の様子(Luís Macedo/Câmara dos Deputados)
27日の下院の様子(Luís Macedo/Câmara dos Deputados)

政治改革法案=再選禁止案を下院が承認=企業献金の政党限定化案も=クーニャ議長が盛り返す

 政治改革に関する法案の下院での審議が2日目を迎えた27日、選挙時の民間企業の政治献金は政党に限定することと、16年の全国市長選以降の大統領、知事、市長の再選を禁止することが一次承認された。27日付伯字紙が報じている。
 政治改革に関する下院での審議は26日にはじまった。同日は投票システム変更と、選挙時の民間企業の政治献金に関する審議が行われ、得票数の多い候補者が当選するディストリトンと、ディストリトンと比例代表制折衷のミスト、政党内であらかじめ決めたリストへの投票の3方式は否定され、比例代表制維持となった。選挙時の企業献金を政党と個人に認める件は憲法改定に必要な308票に達せず、エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)の敗北となった。
 だが、27日の審議ではクーニャ議長が盛り返した。まず、「企業献金は政党に限定するが、個人なら候補者にも献金できる」という憲法改正案が、320票対141票で承認された。提案者はサンパウロ州選出でサンパウロ市市長選の常連候補として有名なセウソ・ルッソマノ下議(ブラジル共和党・PRB)だ。
 この案の通過は、議会にとっては大きな意味がある。それは、これまで企業からの献金に関して連邦最高裁の判断にゆだねられることがあり、「献金に関する決定権を議会に戻したい」という思惑が議員たちにあったためだ。
 また、最高裁では「選挙時の企業献金を廃止する」という審議を行っており、判事6人が賛成を表明していた。同案の審議は1年以上前から、ジウマル・メンデス判事からの見直し請求で差し止められている。
 そしてこの後、大統領、知事、市長の再選を禁止する法案の投票が行われ、452票対19票と、圧倒多数で承認された。この改正法案の対象となるのは16年の全国市長選からで、12年の市長選と14年の知事選で当選した1期目の市長や知事は、16年の市長選と18年の知事選への立候補が可能だ。
 27日に承認された法案は下院での再度の投票を経て上院に送られ、そこでも承認されれば大統領の裁可待ちとなる。