ニッケイ新聞が主催する「第59回パウリスタ・スポーツ賞」が6月1日午後7時からサンパウロ市議会の貴賓室で行われる。現役で活躍中の選手や引退後の指導者、審判など、競技者だけでなくその振興や普及に尽力した功労者を表彰する。今年は「特別賞」3人を含む、総勢21人が受賞をする。例年通り、サッカーや野球から剣道、空手などの武道、ラジオ体操まで幅広い分野から表彰される。授賞式を前に全受賞者の経歴を紹介する。
【特別賞・ゴルフ】ハルオ・タカノ
92歳、山梨県出身。日系人のゴルフクラブ運営に貢献。50年の歴史を持ち、日系のゴルフクラブとして最も古いアルジャーゴルフクラブに1978年より加入し、同クラブの理事として尽力。ブラジル日系ゴルフ協会の理事も務めた。選手としても同クラブで活躍し、現在もなお選手生活を続ける。
【特別賞・テニス】ラウロ・オオツカ
68歳、サンパウロ州アンドラジーナ出身。サンパウロ州におけるテニス競技を振興し、選手としても活躍。医師業の傍ら、日系人としては初めてサンパウロ州テニス連合会の会長を1994年から2013年まで務めた。1994年にはサンパウロ州大会で優秀賞を受賞。2000年にはパンアメリカン医師大会の44歳から55歳までの部で優勝。翌年2001年には世界医師大会の55歳の部で準優勝を果たした。
【特別賞・サッカー】アルモニア教育文化協会
サッカーを通して日伯両国の文化交流に貢献してきた。1993年に「日本の子供たちにブラジルのスポーツ・文化体験を提供する」ことを目的に「アルモニアブラジル・日本U―15サッカー交流大会」をサンパウロ市で開催し、その後両国で協力しながら運営を続け、今年2015年には第20回目の開催を迎えた。
【射撃】平崎靖之
69歳、広島県出身。射撃競技の振興に貢献。サンスイ社に勤務する傍ら、現在まで10年以上に渡り、オリンピックブラジル代表を輩出したノーババンデイランテス射撃協会の相談役として尽力。職業を通じた自身の人脈を駆使し、各大会への選手招待や、運営を行ってきた。
【陸上競技】ペドロ・イサオ・ヨシカワ
64歳、サンパウロ市生まれ。陸上の競技の振興に貢献。1994年よりサンパウロ市南部スポーツリーグ役員として携わり、1997年には会長に就任。2000年にはサンパウロ市陸上二世協会の会長を歴任した。2006年にはメキシコ開催の第27回日系国際スポーツ親睦大会で陸上選手団の団長を務め、ブラジル開催となった同2008年大会には大会総合コーディネーターを務めた。
【ゲートボール】セイジ・オガ
77歳、岡山県出身。ゲートボール競技の振興に貢献。2000年より佐賀県人会とサンパウロ市ゲートボールクラブで競技を始める。その後、ブラジルゲートボール連合の会長、世界ゲートボール連合会長、南米ゲートボール連合会長を2011年から2015年まで務める。
【パークゴルフ】蓼沼敬次郎
78歳。2002年にカストロ文協のパークゴルフ場建設に尽力。ブラジルパークゴルフ協会の会長を現在まで3期務め、競技全体の振興にも努めている。また国際協会認定の指導員としてもリーダーシップを発揮し、ルールやマナーを指導、大会の講評を行う。
【マレットゴルフ】キヨシ・フジカワ
75歳。サンパウロ州サンミゲル市のマレットゴルフクラブの設立に尽力した。農業と自動車修理工場を営みながら、サンミゲル・アルカンジョ病院のボランティアとして活動し、その一環としてマレットゴルフに携わる。サンパウロ州マレットクラブ連合会にも常に協力し、競技の普及と大会運営等に尽力した。
【ゴルフ】ミルトン・トオル・ヨシウラ
57歳、サンパウロ州バウルー出身。ゴルフ場経営を通し、競技の振興に貢献。バウルーゴルフ場の会長を7期務める。同施設は1970年に父テツル氏が創立した。現在60人の会員を有し、サンパウロ州の公式ゴルフクラブに加入しており、公式戦も行われる。
【ラジオ体操】ソニア・ジビ
68歳。夫アントニオ・ジビ(故人)と共にブラジルへのラジオ体操の普及に努めた。ロータリー広場や14bis広場など13の広場でラジオ体操の団体を設立する。800人規模のサンパウロ州大会をアニャンガバウーで2003年から2007年まで5年連続で主催し、ブラジルラジオ体操連合会副会長も務めた。
【健康表現体操】大矢紀子
65歳、神奈川県出身。健康表現体操の指導員として活躍。日本語教師を務める傍ら、2008年に准指導員に認定。同年の移民百周年記念時には、生徒を精力的に指導。その後もイタケーラのカルモ文協や、エスペランサ婦人会で指導を行い、2009年にはブラジル健康体操協会の会計役員に就任した。
【卓球】カズオ・マツモト
29歳。現役のプロ卓球選手として、世界中で活躍している。2013年、国際卓球連盟の主催するスペインオープンでブラジル、また南米出身の選手としては初めて個人戦で優勝を果たした。その後も数多くの国際大会で優秀な成績を修めているブラジル卓球界の第一人者。
【テニスデカンポ】アントニオ・ツネオ・コクブ
65歳、サンパウロ州ルセリア出身、パラナ州クリチーバ在住。テニス競技の振興に貢献。今日500人以上の会員を有するクリチーバ・テニスクラブ設立者の一人として尽力。38歳で競技を始め、選手としてもコーペルコチア・アトレチコクラブ主催のテニス大会にシングル7回、ダブルス2回優勝の実績を持つ。
【ソフトボール】タケトミ・ヒガシ
66歳、サンパウロ州ペレイラ・バレット出身。ソフトボールの指導者として活躍。1990年、クラブチーム・ギガンテの監督として、キャリアをスタートし、現在はジェセービス監督を務める。また長年に渡り、女子ブラジル代表の監督を務め、2015年のパンアメリカン大会の予選を勝ち抜き、チームを本戦出場に導く。
【野球】アキラ・キユナ
79歳、沖縄県出身。野球の審判、指導者として活躍した。ブラジル野球審判協会の創立者の一人。サンパウロ市ヴィラ・カロン区で子供たちを野球を指導し、その後ジェセービスに移り、指導員や全伯ジュニア大会等で審判を務める。現在は後進の審判の育成にも尽力している。
【柔道】金山カイオ
38歳。柔道指導者として活躍。2007年より、父ダンテ氏が設立した「金山アカデミー」で指導を開始し、国内大会審判や体育指導員の資格を持つ。選手としてもサンパウロ州のチャンピオンシップ大会で形、乱取共に優秀な成績を修め活躍した。ブラジル柔道連盟認定3段保持者。
【合気道】リョウジ・ナカムラ
60歳、サンパウロ州パカエンブー出身。サンパウロ州における合気道の競技の振興に貢献。日系社会で武道文化に出会い、1981年に合気道を始める。情報関係の企業で働く傍ら、現在までサンパウロ市ラッパ区の道場で稽古を続ける。またサンパウロ州合気道連合の理事も務める。
【古武道】ヘイリオ・ケンゾウ・ディーノ
29歳。2004年、ブラジル古武道選手権で優勝、同年リオデジャネイロで指導員としても競技に携わる。二天一流や水鴎流居合剣法、神道夢想流杖術の段位を持ち、非日系人の古武道の普及に貢献してきた。
【剣道】ロベルト・ヨシユキ・ソメヤ
54歳。選手として活躍後、指導員として競技に貢献。1979年第4回剣道世界大会に出場し、個人戦で敢闘賞を受賞。その後も同大会でブラジル代表主将として活躍、団体戦では最高2位に輝く活躍をみせた。2000年より男女全伯代表の監督として指導を開始。世界大会で2007年には男女共に3位へ導く。また文協剣道部の指導員としても活躍している。
【空手】シンチア・ユミ・ヨナミネ
44歳。選手、指導員として競技の振興に貢献。5歳より競技を始め、1995年よりサンパウロ州サントアンドレ市で指導を開始。その後現在まで同市の空手大会の責任者を務める。自身も選手として国の枠を越えて活躍。2014年には南米大会団体型の部門で優勝した。剛柔流の七段保持者。
【相撲】マリア・リマ・ベゼーラ
58歳、ペルナンブーコ州出身。相撲競技の振興に貢献した。家政婦として働き、結婚後、サンパウロ市ガイアナーゼス区へ移り住み、1999年から息子たちとともに地域の相撲文化に触れ、2008年から前任者の退任を受けて自ら地域の子供たちへ指導を始める。2012年には全伯選手権準優勝へ導き、同年ブラジル代表監督にも就任した。